●福祉タク補助制度を創設

  06年度重点施策−乗り継ぎ割引支援も

 国土交通省は2006年度予算要求の基盤となる「重点施策」を12日発表した。交通関連分野では、身体障害の有無・年齢・性別・言語などの区別がなく利用できるようにするニバーサルデザイン(UD)政策の展開をメインテーマに、公共交通機関の利用円滑化・バリアフリー化を柱に据えた。具体的には、コミュニティバスや乗合タクシー、福祉タクシーへの補助制度の創設、鉄道・バスなど共通IC(電子回路)カード導入への支援拡充を掲げた。

 重点施策のキーワードは「安全」「環境」「活力」「くらし」の4つ。編成方針として@災害や事件・事故など喫緊課題への対応A少子高齢化など中長期動向を見据えた先駆的・抜本的な取り組みB省庁統合5年を踏まえた「連携」から「総合化」への転換――とうたった。

UD政策では、ハートビル法(建築物対象)交通バリアフリー法(公共交通機関・駅施設対象)の統合による新法を制定し、連続したバリフリ空間を形成するのが一大目標。コミュニティバス・乗合タクへの助成には、地域住民や交通結節点関係者らによる協働の枠組みを合意し、「公共交通利用円滑化計画」(仮称)を作成してもらう。異なる事業者間の乗り継ぎ割引も支援する。タクシーでは鉄道や高速バス、高速船などのタイアップが芽生えてきている。

安全面に関しては、安全最優先の企業風土確立に向け、事業者が取り組むべき項目を定めた指針「安全マネジメントガイドライン」(仮称)を策定するほか、監査体制の強化、ヒューマンエラー事故防止技術の開発などを挙げている。

環境対策強化のメニューとして、運輸事業者への「エコドライブ管理システム」(デジタル式運行記録計を想定)の全面不急と省エネ機器の実用化、運輸局ブロック単位で設置中の「公共交通利用推進等マネジメント協議会」の取り組みを後押し。マイカーからのシフトを促進する。

観光分野では、訪日外国人客の招致を促すビジット・ジャパン・キャンペーンを高度化、「06ポスト万博キャンペーン」を展開するとアピールしている。

東京交通新聞 2005.8.22(月)