● 携帯端末で複数の機器操作

  富士通が新技術 05年度中の実用化目指す

 携帯情報端末をリモコン代わりにし、通信機能を持つ複数の情報機器を操作することできるプログラムを、富士通が初めて開発した。この技術を使えば、街頭からでも会社のパソコンのアドレス帳で行き先の住所を調べ、地図を携帯電話に表示し、別の場所にあるテレビ画面に映し出すことも可能になるという。

 05年度中の実用化目指し、身の回りのあらゆる機器にコンピューターが搭載されてネットワークにつながる「ユビキタス社会」の中核技術として世界標準化をねらう。

 「タスク(作業)・コンピューティング」と名付けた技術で、プログラムがネットワークとつながった情報機器の機能を認識し、複数の機器を組み合わせてできる作業を判断する。たとえば乗車中に音楽をインターネット経由で携帯電話に受信し、カーオーディオで聞くことが簡単なボタン操作でできるようなる。

 情報機器同士の連携は、デジタルカメラをプリンターにつないで直接画像を印刷する「ピクトブリッジ」や、家電同士が無線で情報をやり取りする「ブルートゥース」などの技術がすでに実用化ずみ。ただ、利用できるのは一部の機器だけで、しかもケーブルや無線の届く範囲に限られている。

 朝日新聞 2004.06.8(火)