●運送対価でNPO 1団体の申請保留

  小金井福祉運営協が初会合

 今年7月にセダン型福祉有償運送特区の認定を受けた東京多摩地区・小金井市の福祉有償運送運営協議会の初会合が先月30日、小金井市民会館で開かれ、「NPO法人ハンディサポートこがねい」(奥園高之代表)の道路運送法80条許可申請について協議した。委員からは「一部条件付で申請を認めてもいいのではないか」との意見が示されたが、最終的には継続協議とし、次回会合で再度、論議することにした。

 議事に先立ち、運営協議会の会長に学識者の吉賀成子・東京家政学院大学入文学部講師を、副会長に工藤章夫・小金井市福祉保健部長を選任した。

 申請NPO法人のハンディサポートこがねいは法人所有の福祉車両1台とセダン型の持ち込み車両14台での申請を計画。奥園代表が損害賠償体制などとあわせて運送の対価について「迎車料金は無料で初乗り4キロまで600円、加算1キロごと150円で待ち時間は20分まで無料、以後10分ごとに100円となっており、距離積算は乗車地から降車地までとしている」と説明した。

 運送の対価についてはタクシー事業者代表委員の小林信勝・つくば観光交通企画室長が「初乗りの輸送のうち2キロ以内がどの程度あるのか。2キロ以内の輸送が大半であれば、タクシー運賃(初乗り2キロ660円)のおおむね2分の1とのガイドラインに合わないのではないか」が指摘。これに対し、同法人理事の川合彰委員が「利用者の自宅までの迎車料金をとっておらず、多くの利用者からはタクシーの半額程度だといわれている」と反論した。

 その一方で小林委員は「(ハンディサポートこがねいの)理念は理解しており、セダン型特区の申請は当該1団体たけに限定するとの条件で、この場で申請を承認してもよいのではないか」との考えを示した。これに対し、タクシー労組代表の石井肇夫委員が「現在、国土交通省の福祉有償運送小委員会での審議が進行中であり、その動向も見定めた上で(多数決ではなく)全会一致で決めても遅くないのではないか」と提起、吉賀会長も「次回、再度議論した上で決めたい」と述べ、継続協議とすることで一致した。次回会合は来年1月中旬をめどに開く予定。


東京交通新聞 2005.12.5(月)