●三重旅協総会 福祉有償運送は死活問題

  大西会長「サービスで需要喚起」

 三重県旅客自動車協会(大西克己会長)は12日、志摩市のホテルで第50回通常総会を開き、福祉有償運送運営協議会への対応など活発な論議を行った。

 冒頭あいさつで大西会長は@80条による福祉有償運送運営協議会の件は県から参加要請がきている。“安全”に対する意識付けがキーワードA昨年9月の運賃料金に関する通達について中部運輸局の説明会でも会員から厳しい意見が出た。安きに走らず体力をすり減らすことが明白な競争は避けるべき−とし「需要喚起は値下げだけではない。禁煙タクシーやドアサービスなど良質なサービスなどでレベルアップを図ることで需要喚起につなげたい」と強調した。

 2004年事業報告で、大西会長が県生活交通確保対策協議会に出席し「乗合タクシーへの移行を含めてバス事業との共存共栄をはかりつつ、点から点へ考えを面としての考え方へ移行しタクシー借り上げによる運行が良い結果をもたらす」と提起したことが紹介され、時宣にかなった取り組みと賛同を得た。

 05年度事業計画は他地区の運賃競争の結果を教訓としてサービス重視の取り組みを進めることを中心に、福祉有償運送運営協議会が7県民局単位で立ち上げられ、各支部の協力のもと参加していくなど。車両割会費引き上げ案(現行1台月額910円を960円に)を承認した。

 総会では「運賃を安くしたところで客が増えるわけではない。米国流の規制緩和の弊害をもっと重視する必要がある」など窮状を訴える声が相次いた。

 運営協議会に関しては「長年事業に携わってきた立場から白タクの合法化には納得がいかない」との意見が出された。執行部は「ローカルほどNPOの動きが出てくるので事業者にとっては死活問題。的確に対応すべき深刻な問題」と強調した。

 出身会社の人事に伴い、理事に竹内一晃(三重近鉄タク)、共村光治(同)の両氏を選任した。

 来賓に川島千秋三重運輸支局長、中村富治同輸送課長が出席。川島運輸支局長は「点呼、安全教育のチュックを実施し安全確保態勢を築いてほしい」と述べた。

東京交通新聞 2005.5.16(月)