●視覚障害者に薬の音声情報

  三菱ウェルファーマ 飲み方・副作用、機械が朗読

 三菱ウェルファーマは29日、同社が取り扱うすべての医薬品約230種について、視覚障害者が薬の名前や働き、飲み方、副作用などを音声情報として入手できる仕組みを導入した。

 薬の情報を特殊な二次元の「SPコード」に記録。このコードを付した書面を病院や薬局で受け取り、専用の読みとり機にかけると、その内容を機械が読み上げてくれるという仕組みだ。製薬会社としては初めての試みで、「目が不自由な人も手軽に薬の情報を確認できるようになる」という。

 このSPコードは切手サイズで、一つにつき約800字分の情報を記憶できる。「日本視覚障がい情報普及支援協会」(JAVIS、東京)が中心となって推進しており、行政情報や列車の時刻表などに徐々に広がっている。

 三菱ウェルファーマは、患者の服薬指導用に作成したA4判の「くすりのしおり」に、このしおりに書かれているのと全く同じ内容を記録したSPコード付けた。健常者と視覚障害者両方に、同じ書面で対応できるという。

 同社のホームページにある医療関係者向けのサイトから印刷でき、医師や薬剤師から該当医薬品の「くすりのしおり」を手渡してもらう。どこから専用機にかけても読み取る順番が分かるよう、四隅すべてにSPコードを記載するなど工夫した。

朝日新聞 2005.3.30(水)