●新たにセダン特区申請

  流山、今市市で有償運送

 千葉県流山市と栃木県今市市が先月27日締め切られた構造改革申請受け付け(第7次)でNPO等ボランティアの福祉輸送運送セダン特区を申請した(1月31日号既報)。申請の背景など各自治体に聞いてみた。

 流山市は4月にも運営協議会を立ち上げたい意向を示している。県内初のセダン特区申請。運営協が設置されれば昨年12月の大網白里町に次ぐもので、県内では今後も福祉輸送をめぐる自治体の動きが続きそうだ。
 流山市は人口約15万1000人。認証を受けているNPO法人が25あり、うち11のNPO法人が移送サービスを行っているとみられている。
 移送を行っている団体が具体的にどのような輸送人員や体制なのかについては、今後調査するとしている。

 市では、要介護、要支援者が3378人、居宅介護サービスを受けているのが2079人、身体障害者が3070人、知的障害者が434人、精神障害者が255人としている。

 今回のセダン特区申請に伴う運営協議会について市では、「立ち上げまでに細かい調査やNPO法人への説明、タクシー業界への説明などをそれぞれ行っていきたい。NPO法人については実施主体としてやってもらえるかどうかの確認も必要になる。運営協も80条申請後も経過を見るための期間として継続させていきたい」(友野哲雄・保健福祉総合対策室室長)と話している。

 今市市は先月19日、セダン特区申請を行った。NPO1法人が移送を行っており、今回の申請により、同法人を含め道運法80条許可による移送サービス実施の環境を整えたい考えだ。

 許可申請予定の特定非営利活動法人ウェーブ(芳賀マサ子理事長)は1995年から活動し、99年にNPO法人化。介護保険の通所、居宅サービスのほか、セダン車によるボランティア移送も行っている。

 同市の人口は6万3000人強。セダン車を利用可能な移動制約者は合計2909人。内訳は、介護関係877人、身体障害者1653人、知的障害者234人、精神障害者145人となっている。市では「数年前からNPO2法人が移送を行ってきたが、1法人は道路運送法のグレーゾーンも踏まえ一昨年に休止した経緯もあった。セダン特区になることで現在活動中の一法人も含め、移送サービスの充実が図られれば」(厚生福祉課介護保険係)と期待している。

 栃木県では、有償運送特区の認定、運営協議会設置ともに、今市市が第1号となる。
 一方、県は運営協議会の設置について、「移送サービスは自治体がNPOに依頼、実施するのが基本だが、広域対応も必要」(保健福祉部高齢対策課)としている。

 現地点では「県内5つある広域健康福祉センタをベースに、関係事務を県が行う形での設置」(同)を構造している。今後、状況の推移をみながら、具体化を検討していく。

東京交通新聞 2005.2.14(月)