●政省令は213項目 厚労省開示

  細部はいまだ不透明

 厚生労働省はこのほど、衆議院で審議中の障害者自立支援法案に関連し、政令委任事項が七十、省令委任事項が百三十一、告示事項が十二の計二百十三項目に上ることを明らかにした。衆院厚生労働委員会で野党の要求に応じて開示したもの。政省令事項の数は明確になったものの、国会での審議がどの程度反映されるかは不透明だ。

 二百十三日項目の内訳を見ると、法案第五条の障害福祉サービス(介護給付と訓練等給付)、障害福祉サービス事業。第五十二〜七十五条の自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の支給に関する事項の多さが目立つ。

 また、第二十二条一項の支給要否決定の勘案事項として、「社会活動や介護者・居住等の状況、サービスの利用意向、訓練・就労に関する評価など多面的な事項(政令)を定めること、市町村審査会の委員定数は五人が基本(第十六条に基づく政令)で、委員の任期、会長の選任方法、会議の議決方法など第十八条に基づく政令で定めることも明記された。

 これらの開示も求めたのは民主党の園田康博氏。十一日の厚労委員会で「この法律には恐らく三百以上の政省令が散りばめられている。当事者の方にしてみれば不親切で、非常に分かりにくい」などと指摘したところ、塩田幸雄・障害者保健福祉部長が「政省令にゆだねた事項は自立支援法に限定すれば二百以上あり、すべての関係法案も含めれば三百以上を政省令に落としている。現地点で考えている中身は速やかにこの委員会に提出し、それに対する指摘を踏まえて考えていきたい」と答弁した。

 同様に開示を求めていた日本共産党の山口富男氏は十八日の厚労委員会で厚労省から政省令事項の提出があったことに触れ、「(これまで明らかになっていたものより)若干詳しくはなっている」と一定の評価をした。

 しかし、「審査会に障害のある当事者の加えるべきと考えるが、これはどの条文に基づく政令事項で可能になるか」と質問し、塩田部長が「根拠としては十八条になるが、政令で障害者団体の方を審査会に入れることは考えていない」と応じると、「委員会での指摘を踏まえて考えるというこれまでの答弁と通うのではないか」と批判した。

 なお、厚労省は障害者雇用促進法の改正法案が追加する政省令事項についても明らかにしており、その数は政省令事項が四、省令委任事項が二十二、告示事項はゼロとなっている。

福祉新聞 2005.5.30(月)