●自立支援法案−「そのまま可決しないで」

  聴覚障害関係団体 参院議員に要望

 「障害者自立支援法案をそのまま可決しないで」――。法案が衆議院を通過し、参議院での審議を目前に控えた七月二十一日、聴覚障害者「自立支援法案」対策中央本部の幹部らが、参院厚生労働委員会の国会議員へ要望して回った。

 対策中央本部は@全日本ろうあ連盟A全日本難聴者・中途失聴者団体連合会B全国手話通訳問題研究会C日本手話通訳士協会D全国要約筆記問題研究会の全国の五団体が統一行動を取るために立ち上げた組織。

 一行は「障害者の所得保障を優先させるか、応益負担導入を見直す方向で審議してほしい」「利用が重なれば負担も重なる」と訴える。自立のための福祉制度の利用に定率負担という形で自己負担が課せられれば、利用は抑制され、親や家族、施設からの自立も困難になるという強い不安からだ。

 衆院では法案が修正され、就労支援も含めた所得確保の施策を検討する規定が設けられたものの、「障害者の願いを先送りするもの」と満足はしていない。このまま成立することに危機感を持っている。

 なお、聴覚障害に特化した課題としては、コミュニケーション保障に利用者負担はなじまないとして、地域生活支援事業の手話通訳や要約筆記を無料で行うことを求め運動を展開中だ。

福祉新聞 2005.8.1(月)