●障害者自立支援法案−与党が修正案

  13日にも衆院厚労委で採決

公費医療改革は来年1月に

 障害者自立支援法案の衆議院厚生労働委員会での採決が、十三日にも行われる見通しとなった。

 審議が休止している間に与党と民主党が水面下で行っていた法案の修正協議は噛み合わず終了したまま、一日に審議は再開。しかし修正を望む障害者等の声が大きかったことを受け、六日、自民党障害者問題特別委員会が修正案をかためた。八日の厚生労働委員会に与党案として議題に上る見込みだ(六日現在)。

 法案修正をめぐっては、全国規模の障害者団体の間でも「大幅に修正しない限り受け入れられない」「わずかな修正でしかなくても成立させてほしい」など様々で、要望項目にも強弱があるのが実態だ。

 そうした中、当初の修正協議では民主党が法の骨格に踏み込んだ修正を与党に打診したが、その段階では与党が原則として法案を修正しないで問題を解決する姿勢だったため、交渉は成立しなかった経緯がある。

 ただ、交渉の物別れを受け、日本障害者協議会を始めとする「障害関係八団体」が修正協議の継続を各政党に求める声明を発表。その後も、先行き不安を訴える障害者運動は強まりを見せていた。

 一方、与党内でも修正の必要性を指摘する向きがあり、自民党の八代英太・障害者問題特別委員長が六日の同委員会で四項目の修正案を提示した。障害者団体の要望や民主党の指摘事項も取り入れた格好で、八日の衆院厚生労働委員会では正式に与党案として示され、議題に上る。

 修正案では、最大の焦点である所得保障について、就労の状況や将来の税制改正をにらみ幅広く検討する規定を設けるよう示唆している。また、公費負担医療の改革(自立支援医療)の施行時期は、今年十月ではなく、介護給付などと同じ来年一月に変更する。

 さらに、法の目的には、障害者基本法の目的に明記されている「自立と社会参加」を加え、難病患者や発達障害者など障害者基本法の「障害者」に該当する人たちが障害者自立支援法の対象から外れないよう、「障害者」の定義について検討する規定も設ける。

 なお、一日の衆院厚生労働委員会では、野党から改めて所得保障の不備などが指摘されたが、厚労省から目新しい答弁はなかった。しかし、政省令で定められる利用者負担の判定などについても与党が六日に厚労省へ要望事項を示していることから、八日以降の審議では硬直状態に変化が表れる見込みだ。

福祉新聞 2005.7.11(月)