●若者自立支援−相談窓口を設置

 内閣府報告書 関係機関の連携強化を

 内閣府の「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」(座長=宮本みち子・放送大教授)は六月三十日、社会的に孤立している若者やその家族のための身近な相談窓口として「ユースサポートセンター(仮称、YSC)」を設置し、児童相談所などの福祉機関を始めとする関係機関が協力して自立支援に当たることが必要などとする報告書を取りまとめた。

 報告書では、一九九二年からの十年間で、十五歳から三十四歳までの無業の若者が約八十万人増え、その数が二百十三万人に及んでいること、そのうち八十五万人が「ニート」(通学や就労の意思がない無業の若者)であることなどを問題として指摘。「若年無業者やひきこもりの若者などの増加は将来にわたる重大な問題であり、若者の社会的自立は、国を挙げて取り組むべき喫緊の課題」とし、国の最重要課題の一つに若者政策を位置づけることが必要とした。

 具体的な取り組みでは、教育・生涯学習・就労・社会保障・家族・健康医療などの包括的な自立支援方策に全政府を挙げて推進すること、そのための社会的コンセンサスを形成することなどを求めた。

 また、ニートなど自立に困難を抱える若者については、複合的な問題を抱えていることが多いとし、児童相談所などの福祉機関を始め、教育・保健・医療・鐘楼・非行少年などの関係機関が地域の中で連携・協力して自立支援に当たる体制を早急に整備することが必要とした。

 特に関係機関の連携では、支援のための中核機関「YSC」を設置し、若者や家族の相談窓口を明確化するとともに、実際の相談支援に当たる「ユースアドバイザー(仮称)」を設置するよう提案。YSCが関係機関の協力を得て、問題解決に当たる体制を構築するよう求めた。

福祉新聞 2005.7.11(月)