● 障害者「脱施設」促す政策見直し 厚労相方針 就労や生活を支援 坂口厚生労働相は15日、障害者が地域で生活できるようにするため政策を抜本的に見直し、身体、知的、精神障害者向けの関連法を一体的に改正する方針を明らかにした。生活全般の支援計画を立てるケアマネジメント制度を導入するなど、障害者が入所施設などを出て地域で暮らせるよう支援体制を強化する。05年の通常国会に改正案を提出、09年までの段階的な実施を目指す。 政府は、障害があっても普通の生活を送れるように社会で支えるノーマライゼーションの促進を掲げているが、知的障害者の3割が施設に入所しているなど「脱施設」は進んでいない。 厚生省によると、見直しでは障害者が希望に応じて地域での生活の場を選び、暮らすことを基本とするよう精神保健福祉法や身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などを改正、施設での保護中心の政策を改める。 具体的には、ケアマベジメント制度を設け、専門家が就労からホームヘルパーの派遣など生活全般について障害者一人ひとりの計画を立てる。機能訓練などを行うデイサービスを増やすため、公民館や小学校の空き教室を利用できるようにする。施設にいる場合も、社会とのつながりが持てるよう日中はデイサービスなどに通うようにする。 精神障害者については、市町村が実施主体となってホームヘルプやデイサービス事業などを行えるよう法改正する。 また、就労を支援するため、社会福祉法人に限られている身体・知的障害者向けの通所施設の運営を、精神障害者と同じようにNPO法人などにも認める。 朝日新聞 2004.9.16(木) |