●道が特区申請 日単払い報酬
障害者施設入所者
一時帰宅でも居宅サービス利用可能に
地域生活移行に大きな効果
道は、障害者施設サービスを受けている利用者が一時帰宅した時などに、帰宅先の市町村でも在宅支援費サービスが受けられるように、「選べる福祉サービス北海道特区」(構造改革特区)を申請した。利用者や家族などからの強い要望を受けた措置で、地域生活移行を推し進める先取り施策としても注目される。
身体障害者、知的障害者の入所施設、通所施設、障害者グループホーム(GH)の報酬支払いを月単位だけでなく、日単位にもできるように変更する。これによって@施設入所していても、帰宅地で短期的にホームヘルプ、デイサービス、ショートステイが利用できるA特定曜日を限定したり、種別の異なる通所施設を並行して可能―になる。
利用者個々の希望・意思を専重した、実情に応じた在宅・居宅サービス組み合わせが可能となり、施設サービスと在宅サービスの垣根を取り除き、サービスの地域格差縮小にもつながる効果も期待されている。
今回の特区申請は、身障者、知的障害者の支援費施設、GH(児童除く)が対象。今月中にも認可される見直しで、四月から道内八法人十五施設が実施する予定。滋賀県では、一足早く昨年十月から同様施策を開始している。
現在道内では二百施設が該当。今後、事業を促進するためには、利用者本位、地域福祉推進を考え、運営する社会福祉法人、市町村が積極的に参画することが必要不可欠。道障害者保健福祉課は「理解を求めながら利用者のために拡大を図っていきたい」と話している。
障害者施設小規模サテライト特区も
道は「小規模サテライト型障害者入所施設北海道特区」も申請、二法人三施設が実施を予定している。大規模施設が民家など既有遊休施設等を活用して少人数ケアに取り組み、自分らしい生活を支援、入所者の地域生活移行を進める。居住機能に特化(原則個室)するとともに、本体施設と一体に運営し、常に生活支援員等を配置する。入所施設の規模縮小、グループホーム等への機能転換を促していく。
介護新聞 2005.3.3(木)
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