北海道新聞平成16年5月28日札幌圏版 【障害、高齢者に快適住宅を】 障害者や高齢者に快適な住環境を提供しようと、札幌市内の社会福祉法人と不動産会社が相次いで、賃貸住宅の建設を計画している。高齢者などの間では、医療や福祉が充実した都会での暮らしへの志向が年々強まっている。「安心して暮らしたい」というニーズに対応し、それぞれ24時間対応の訪問介護や、即時入居のサービスを検討している。(稲垣重則) 社会福祉法人HOP(ホップ、竹田保理事長)は来春、西区二十四軒4の6に身体障害者向け賃貸住宅(福祉ホーム)を建設する。鉄筋3階建てで、単身用9戸と家族用1戸の計10戸。現住、同所に建つ重度心身障害者向け施設が老朽化したため、約1億円をかけて建て賛える。 部屋は1DKで家貸は2〜3万円を見込む。障害者の地域生活支援が大きな目的で、たんの吸引や酸素吸入など医療的な介助が必要な重度障害者も受け入れるため、診療所を併設。希望者には関連の民間非営利団体(NPO)法人による24時間対応の訪問介護や家事援助、移送サービスなどを提供する。 6月下旬に設計者を選び、今秋着工の方針。竹田理事長は「障害者の自立を支える部屋づくりをしたい」構想を練る。 一方、不動産仲介大手の常口アトムは中央区南1西15に建設中の11階建マンションを高齢者、障害者向けに一括借り上げする。 近隣には札医大付属病院など救命救急医療や高度先進医療に対応した病院が複数あるため、地方から入院・通所する患者と、付添家族の短期利用も視野に入れた。急な入院にも対応できるよう、入居は24時間可能にする。2LDK20戸で、10月完成予定。 同社の高齢者福祉事業推進部は「病院の近くで短期間部屋を借りたいという希望は多い」と話し、今後も同様のマンションを増やす考えだ。 |