● 24福祉関係通達、今週にも最低車両1台に統一
中間整理案ほぼ踏襲
国土交通省は@NPO(民間非営利団体)など福祉・過疎地ボランティア有償運送構造改革特区の「全国化」A患者・介護輸送限定事業B特定旅客運送事業―の各許可基準を規制緩和し、先の「中間整理案」をほぼ踏襲した新通達を今週にも地方運輸局に出す。各地で急伸する福祉輸送サービスの現状を踏まえ、青ナンバー・白ナンバーともに要件や手続き面を大幅に緩和するもので、ボランティア有償運送の事業主体として新たに病院や農協、生協などを想定、患者・介護限定事業新規参入に必要な最低車両数を1台に全国統一する。介護ヘルパーの自己保有車による有償運送許可要件を新設するほか、サービス度合いに応じ弾力的な運質設定を認める。特区全国化は4月からスタート、新基準は1年程度の重点指導期間(既存事業者・団体への猶予)が置かれる。
有償運送全国化通達では、現行の特区基準をベースに手直し。変更点は「非営利法人」と規定している運送主体の例として、医療法人や公益法人、農協、生協、商工会議所などを追加。「単独では公共交通機関の利用が困難な移動制約者」と定義している運送の対象者に知的障害者を加える。
使用車両はリフト付きなど福祉車が基本だが、セダン型普通車を活用する場合、4月から新設される「白ナンバーセダン特区」の認定を自治体が受けることを求める。運営協議会の定義や運転者資格(原則2種免許)、運送の対価(タク上限運賃の2分の1)などの要件は変わらない。過疎地運送特区の全国化も併記する。
患者限定許可基準の見直しでは、旅客対象に要介護者・要支援者を追加、「介護限定許可」(介護タクシー用)を新設する。セダン型を使う場合、介護ヘルパーのほか、全国福祉輸送サービス協会などの研修を修了した「ケア輸送士」の運転を認める。最低車両数は1台を基本とし、新規参入を促す。
運賃設定は個別申請ごとに弾力的に扱い、介護限定許可には原価計算書の提出を不要とし、処理期間を自動認可枠に準じスピード処理する。患者限定許可などは時間制・定額制など距離運賃によらない設定を可能とする。
弾力的な運賃例として、一定幅の認可運賃の中でサービス内容に応じて収受額を変えられる方法や、定額で区域内を自由に輸送できる形を見込んでいる。
特定旅客運送基準の拡大では、特定市町村による要介護認定者に限り会員制を敷いているケースを追加。介護保険の指定訪問介護事業所ヘルパーの自家用車持ち込みは▽事業者責任で運行管理、事故対応などを行う▽対人8,000万円、対物200万円以上の任意保険加入▽車体に許可車両の識別表示―などを条件付ける。
【患者・介護限定輪送の許可基準】 (概要)
○対象旅客…要介護・身障者、独立歩行困難者
○使用車両…リフト付き、回転シート型、セダン(ヘルパー、ケア輪送士上等)
○営業区域…都道府県単位
○最定車両数…1台
○標準処理期間…2カ月
○運賃…原価計算書の提出不要、弾力的な運賃設定可能
【ヘルパー自家用車持ち込み許可基準】 (概要)
○訪問介護サービスと連続・一体の輸送形態
○事業者の責任で運行管理・苦情処理など実施
○対人8000万円・対物200万円以上の任意保険加入
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