●補助犬法−改正向け検討会設置へ厚労省、罰則規定など協議 厚生労働省はこのほど、身体障害者補助犬法(補助犬法)の改正に向けて十月中に検討会を設ける考えを明らかにした。補助犬使用者や盲導犬の訓練団体の要請を受け、自治体や受け入れ側となる民間の事業主など関係者が協議する。 使用者側の要望事項は「学校や民間の住居・職場での補助犬受け入れ義務化」「受け入れ拒否があった場合の救済機関の設置」「悪質な事業者に対する罰則規定を設けること」などで、これらは補助犬法制定時から課題となっていた。 補助犬法は盲導犬、介助犬、聴導犬を同伴する身体障害者の受け入れ拒否を禁じ、良質な補助犬の育成を促すもので、議員立法によって二〇〇二年五月に成立(同年十月一日施行)。付則に施行三年後の見直し規定を盛り込んでおり、今年十月一日がその「三年後」にあたる。 現行法では補助犬使用者が民間企業に勤める場合、その企業は補助犬同伴受け入れについて努力義務が課されるだけだ。民間の住居も同様で、使用者から義務化が求められている。 一方、すでに義務化されている飲食店やホテルなどでも同伴拒否事例が後を絶たない。使用者団体の調査によると、補助犬法の完全施行(〇三年十月一日)の後も使用者の六割が同伴拒否を経験。現行法では救済機関や罰則規定がなく、これらを望む声がある。 こうした実態を背景に、使用者は今年一月に連絡協議会を設立し、厚労省や議員連盟に法改正を要望。厚労省は「議員連盟と相談して対応したい」などと回答していた。 福祉新聞 2005.9.26(月) |