●移動サービス部会新設

  福岡のNPO セダン特区申請へ

  市民協が支援 運営協設置も

 福岡県の福祉系NPO団体は、内閣府への「セダン特区」申請と運営協議会の設置を県や市町村に働きかけることを目的に「市民協福岡移動サービスネット都会」(事務局=NPO法人・福岡たすけあいの会)を立ち上げた。介護サービスの全国支援組織であるNPO法人・市民福祉団体全国協議会(市民協)の傘下に組織化した。「特区」申請は、1月が今年度最後の受付期間。今月中にも要望書などをまとめ年明けに県に提出したい考え。11月に今後のスケジュールを詰める。部会長にはNPO法人通院送迎センター「ステップ福岡」(福岡市)の岩崎代表理事が選出される見直し。市民団体のテコ入れで九州地区も運営協設置が加速しそうだ。

 NPOが運営協議会の設置を求める背景には、道路運送法80条の許可取得の猶予期間が切れる2006年4月以降、現在黙認されているヘルパー自家用車等による「白タク」行為が警察の取り締まりの対象となりかねない危機感がある。
「セダン特区」は、ほとんどのNPO団体が福祉仕様車を持っておらず、ボランティアの持ち出し車両(セダン普通車)に頼っている実状がある。

 透折患者らで運営する福岡市のNPOの団体は「福祉仕様車は2台しかない。それでも多い方ではないか。ボランティアが自宅周辺の透折患者の家をマイカーでまわり移送している。福祉仕様車ではそうした対応ができない」と話す。

 「市民協福岡移動サービスネット部会」の発足に先に立ち、福岡市で開催された県内の福祉系NPO団体対象のフォーラムでは「移送問題」について議論し認識を共有した。

 同部会に加盟するNPO団体は12月1日現在、22団体。今後も県内の福祉系NPO団体に加盟を呼びかけていく。

 運営協は、九州地区では2003年度中に「構造改革特区」として、熊本県の菊池市、玉名市、同県ほか10市町村で設置。佐賀県三養基郡中原町のNPO法人「中原たすけあいの会」が先月、中原町に「セダン特区」と運営協設置を求める要望書を提出している。

運営協議会設置は越年

セダン特区の高崎市

 今年6月にNPO法人などによるボランティア輸送のセダン型車両特区の認定を受けた高崎市は、運営協議会を構成する住民代表メンバーを近く発行する市広報紙を通じて募集することになった。人員は1人を予定している。
 並行して運営協議会を構成する他の関係機関とも調整を行う。年内は、住民代表をはじめとする協議会のメンバー選定にかかる見直しで、運営協議会立ち上げは年明けにずれ込むことが確実となった。

東京交通新聞 2004.12.6(月)