●福祉関係20項目削減対象

  地方6団体 補助金等改革案を提出

 全国知事会など地方六団体は二十日、九千九百七十三億三千八百万円の国庫補助負担金の一般財源化を求める「国庫補助負担金等に関する改革案(2)」をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。社会福祉関係では、今年度創設された「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」「次世代育成支援対策交付金」などを含めに挙げられた。二十の補助負担金・交付金が削減対象に挙げられた。

「三兆円の税源委譲を確実なものとするために」の副題が付けられた改革案(2)では、昨年八月に地方六団体が提出した三兆円の税源移譲を求める改革案のうち、実際に決まったのは二兆四千億余りで、六千億円分が未決定のままであることを非難。政府が決めた三兆円の税源移譲を確実に実施するため、二〇〇六年度に約一兆円の国庫補助負担金を削減し、一般財源化するよう求めた。

 削減対象とされたのは五十二の補助負担金で、このうち社会福祉関係では十七の補助負担金と三つの交付金が対象に挙げられた。

 特に施設整備関係の補助負担金・交付金については「住民生活に直結する基礎的サービスを提供する施設であり、地方債と地方交付税措置の組み合わせによる措置を講ずるべき」と削減を要望。今年度創設した「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」「次世代育成支援対策施設整備交付金」についても、「新たな類似補助金・交付金の創設は認めない」などと廃止を強く求めた。

 また、支援費等分を除く「在宅福祉事業費補助金」「身体障害者福祉費補助金」も削減対象とされたほか、「児童保護費等負担金」「次世代育成支援対策交付金」など児童福祉関係補助金のほとんどが廃止対象に挙げられた。

 なお、昨年十一月の政府・与党合意で検討対象となっている生活保護費負担金、児童扶養手当給付費負担金の取り扱いをめぐっては「三位一体改革に名を借りた地方への責任転嫁であり、断固として受け入れられない」などとし、改革の対象から外すよう改めて求めた。

 改革案(2)で施設整備関係の補助負担金・交付金が対象に挙がったことに対し、戸苅利和・厚生労働事務次官は「施設整備費は運営費と密接に関連している。安易に廃止すると、地方が過剰な施設整備をした場合、国も過剰な運営費を負担しなくてはならない」などと語り、慎重な姿勢を示した。

 福祉関係で削減対象とされた補助負担金・交付金は下表の通り。

福祉新聞 2005.7.25(月)