●福祉移送
特区や再生計画6月に受け付け
内閣官房・内閣府は来月1日から1ヵ月間、構造改革特区、地域再生計画、規制改革・民間開放の3分野に対する提案・構想を受け付ける。6月を集中受け付け月間に定め、「あじさいキャラバン」と名付けた相談会を、秋田、和歌山、鹿児島各市など全国21ヵ所で開催する。
区部と多摩に設置
東京都は6月をメドに全都の福祉有償運送運営協議会の対応方針を定める。都の構想では、区部と多摩地区ごとに新たに2つの運営協を設置、その下に8ブロック程度の幹事会を置き運営する。世田谷、練馬、板橋などの既設の運営協を含めた全都連絡調整会議の設置も検討、意見交換を活発化させる。都は「道路運送法80条の許可申請ができない空白地域がないよう全都を網羅するのが今回の対応の主眼」(福祉局生活福祉部地域福祉推進課)としている。都道府県主導の広域的な運営協の設置については、大阪府に続き、長野県が27日に第1回準備会を開くなど動きが出てきた。
東京都は先月末、23区と武蔵野・三鷹・三多摩各市に対し、都内の福祉運営協の設置方針を説明した。合わせて各区・市の設置見通しを調査する旨告げた。
都が説明した構想では、運営協期設置の区を除き、区部に1つ、多摩に1つの運営協を新設、全都内で空白地域が出ないようにする。さらに多摩を4ブロック、区部を4ブロック程度に分け、それぞれ幹事会を設置する。実際に運営は幹事会がおこない、申請案件は幹事会が承認後、新設の両運営協に提案し最終承認する。
ブロック数は武蔵野・三鷹両市をどこの管轄に区分するかで変動がある見込み。多摩地区では、管内各市が2月から福祉保健主管部長会議(幹事・秋川氏)で運営協の設置を検討。今月10日、都が設置構想を提案、現在、最終調整に入っている。
運営協既設置の区(市)はそのまま生かす方向で、セダン特区の世田谷・練馬・板橋のほか、新たに5月に特区申請した杉並・大田・小金井の各区・市は単独で運営協を設置する構え。杉並区は6月3日に運営協の設置が予定されている。品川区は9月に特区を申請する予定で、単独設置の方向。西東京市は3月に特区に認定されたが、予算の都合で、運営協の設置は秋ごろの見通し。
都は「セダン特区以外の地域をカバーする形で、運営協を共同設置するのが今回の提案の趣旨。道運法80条の許可取得期限があと1年もないので6月には対応方針を決め周知徹底していきたい。将来的には全都を網羅する運営協に一元化していければ」(地域福祉推進化)としている。
東京都が音頭取りに動き出したことで、広域的な運営協の設置が進みそうだが、全国的には5月の大阪府のほか、長野、群馬、栃木、埼玉、宮城、青森、愛知などで県主導の運営協設置が動き出している。設置では全県ベースでカバーした神奈川方式がモデルになっている。全県の連絡調整会議を設置する一方、ブロックごとに運営協を設置するケースが多いようだ。長野県では県内10地方事務所ごとに設置する方向だ。
6月3日に運営協設置 杉並区
東京都杉並区は来月3日福祉有償運送運営協議会を設置する。都区内では世田谷、練馬、板橋に次ぐ。同区は5月にセダン特区を申請しており、東京都の広域共同運営協の設置については「都は共同設置では、セダンの対応は切り離して考えるとしている。杉並区としてはセダンは必要と判断しており、運営協は単独で設置することにした」(保健福祉部管理課)としている。
新設する運営協には、タクシー会社から杉並交通が参加する。学識者としては、秋山哲男首都大学東京大学院教授、高橋万由美宇都宮大学助教授が参加する。
中野や豊島区も
中野区が22日、豊島区が29日、福祉有償運送運営協議会を設置する方向で準備している。両区は「当面、セダン特区の申請は考えていない」(保健福祉部)としており、東京都の広域共同設置については「設置方針を決めた後に都から話しがあった」として、セダン特区とは関係なく単独設置する。
メンバーにはタクシー会社から宮園自動車、労組から全自交東京地連が参加。学識者としては秋山哲男首都大学東京大学院教授らが参加する。
東京交通新聞 2005.5.30(月)
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