●福祉タクシー共同配車 7社、窓口を集約

  障害者・高齢者ら移動便利 電話一本、旅行気軽に

 障害や介助が必要な高齢者らが道内で移動しやすいようにと、道内のタクシー事業者7社が、受付窓口を一つに集約して、専用車両や専門知識を持った運転手を共同で配車するサービスを、10月から始める。利便性向上で、新たな観光客層の振り起こしにもつながればと関係者は期待する。

 新設した「さっぽろ福祉移送配車センター」が窓口になる。7社のほかに、障害者団体の代表や社会福祉学の学者らが運営にあたる。

 7社は、札幌、旭川、函館、富良野、帯広、江別の各市と、日高支庁浦河町の事業者。ホームヘルパー2級を持つ「介護ドライバー」と、車いすの乗客用の車両を備えている。手話ができる運転手がいる事業者もある。

 従来、サービスが必要な人が道内各地を旅行する際は、各地で事業者を交渉しなければならなかったが、共同配車化で、煩雑さが大幅に軽減されるという。センター代表の島津淳・北星学園大学助教授(福祉政策論)は「今後は同様のサービスを提出する他社にも参加を呼びかける」と言う。

 センター副代表で、障害で車いす生活を送る竹田保さん(44)は「1度の電話で済むことで多くの障害者や移動に不自由な人らが、道内を旅する後押しにもなれば」と話していた。

問い合わせは午前9時〜午後5時、同センター(011・641・6178)へ。

朝日新聞 2004.9.29(水)