●古平町-ボランティア輸送

  自立支援へ多様な障害ニーズに対応

 高齢化率三二%を越える古平町は、高齢者だけの世帯が六割に上る。身体・知的・精神障害者は七百人近くに上り、多くの移動制約者が在宅で生活しているのが実態。

 町内で移送サービスに取り組んでいるのは、町社協と知的障害者の地域生活移行を積極的に展開する社会福祉法人古平福祉会。福祉車両は台数が限られており、車いす利用者のニーズ対応に精いっぱいで、移動困難な虚弱高齢者、障害者まで十分手が回らないのが課題だった。

 介護者、環境変化による混乱などから、認定者の八割を占める軽度要介護者、二級以下の身体障害者、視覚障害者、中度以上の知的障害者、引きこもり傾向や不安感の強い精神障害者らに対する、気心の知れたヘルパーらによる移送介助が利用者、家族らから求められていた。

 安心できる住み慣れた地域での生活支援には、多様な障害内容、ニーズに合わせた迅速かつ柔軟な対応が必要。「セダン型など一般車両でも対応できるようにしたい」と使用車両拡大へ特区申請した。

 セダン型移送サービスは「高齢者・障害者の自立支援やきめ細かな通院介助、社会参加にも効果があるだけでなく、家族の介護負担を軽減でき、就労機会促進にもつながる」(田口博久保健福祉課長)期待する。認定され次第、運営協議会を立ち上げ、実施に向け準備を進める。

 道内の介護福祉関係では、乙部町の特養をジャパンケアサービスに運営を委託した公設民営高齢者福祉特区が認定第一号。二市町はこれに続く申請となる。

介護新聞 2005.6.9(木)