● 「移動ネットあいち」設立 関口国交省課長講演

 NPO法人「移動ネットあいち」の創立総会が26日、名古屋市西区内のホールで開催、県内44団体120人が出席した。総会では国交省が3月16日付で出した「新基準」に基づき、4月から新設の「白ナンバー・セダン特区」など福祉有償運送事業の必要性を協議する機関を全県一本で設置、セダン特区の全県認定を近く愛知県に要望していくことを決めた。初代理事長にNPO法人「たすけあい名古屋」代表理事の渡部勝氏が選出された。

総会後に講演会を開催。講師として関口幸一国土交通省自交局旅客課長、田中尚輝NPO法人市民福祉団体全国協議会事務局長が出席。冒頭、石井昌平中部運輸局自交部長が「福祉輸送合法化への取り組みに敬意を表したい。今後、活動領?を広げていくことになるが、厳しい景気の中で地域の最低賃金すれすれのタクシードライバーの現状にも思いをはせてほしい。輸送関係者は立場が異なっても市民が必要なサービス提供のために努力する点で思いは一つ。競合するタクシーと福祉輸送のすみ分けがどうあるべきかを話し合う場として運営協議会がある。常識を踏まえ進めてほしい」とあいさつ。

 関口氏は介護輸送に関する国の法的取り扱い方針とNPO有償運送の全国ガイドラインについて説明、@道路運送は福祉・ボランティア輸送を前提にしたものではなく、今後経験を積み重ねていけば制度が変わることになろうA運営協議会ではNPO法人は申請者の立場ともなり、協議がまとらない場合、自治体が判断するB白ナンバー・セダン型車両は一定期間検証する必要があり当面、構造改革特区の認定が要件―などの考えを示した。

 田中氏は「新基準はボランティア団体にとって30年近い悲願の達成で制度化は大歓迎。新法体系の整備が急務だと」と述べた。