●06年度予算で助成要求−国土交通省方針
タク乗り場配車システム デジタルタコグラフ導入
福祉配車センター整備も
国土交通省は2006年度予算概算要求で、自動車交通分野の柱として「公共交通利用円滑化事業費補助制度」(仮称)を創設、鉄道・バスなどの乗り継ぎ割引やタクシー乗り場配車システムに助成する方針を固めた。乗り場システムでは、待機所から乗降場に配車する「ショットガン方式」の普及や電子ナンバープレート(スマートプレート)の実用化に補助金を検討。地球温暖化対策の側面からは、デジタル式運行記録計(タコグラフ)の購入費の一部を賄う方向。福祉・介護タクシーなど共同配車センター整備の支援も視野に入れている。タクシー事業への国の予算措置は近年、無線システムの高度化が中心だったが、今回は多角的に支援策が打ち出されそうだ。
国交省は来年度予算案の編成に当たり「いつでも、だれでも、自由に、使いやすい」連続的な移動環境をつくるユニバーサルデザイン(UD)の実践と、危機感が高まっている安全・災害対策を重点化。8月末に予算項目・額を確定し、財務省に提出する。
UD政策に組み入れられる公共交通の利用促進・移動円滑化関係予算案では、規制の弾力化や地域提案の優先採択を核とした現行の「公共交通活性化プログラム」を、事業費への補助を伴う「公共交通改善推進総合プログラム」に再編。
具体的な新規支援メニューは@各交通モードの乗り継ぎ割引運行Aバスマップ・案内板整備など情報提供サービスBタクシー乗り場配車円滑化システムC乗り継ぎ経路・施設整備――などが候補。ショットガン方式は池袋駅東口や和歌山駅など各地で導入が相次ぎ、スマートプレートは千葉駅東口で検討が進められている。台数供給過剰による渋滞の解消につなげる。
補助金の対象は、運輸事業者・地方運輸局・自治体・住民など「交通結節点」関係者による協議会が合意、作成した事業計画とする考え。自動車環境対策をめぐっては、税制改正要望で低公害車(低燃費・低排出ガス認定者)の取得に特例措置を講じる「グリーン税制」の見直しがメーンとなるが、予算面では「エコドライブ管理システム」の全面普及を検討。機器にはデジタルタコグラフを想定しており、3万台規模の購入費用の3分の1を助成する案が浮上。経済産業省資源エネルギー庁が所管する「石油特別会計」から賄う予定。
国交省は予算要求と同時期にデジタコの技術基準(道路運送車両保安基準細目)を改正し、汎用(はんよう)メモリーカードや無線通信など最新技術のデータ処理を広く活用できるようにするなど環境整備を図る。運行管理者・ドライバーへのデジタコ講習を充実させ、運行の効率化により地球温暖化の抑制に結びつける考えだ。
東京交通新聞 2005.7.11(月)
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