●介護福祉士は2年→3年過程に移行を

  認知症、障害者対応の専門性確保

  研究会報告書

 介護福祉士養成において@認知症高齢者介護A障害者介護B居宅介護C介護予防−の知識・技術を充実へ、カリキュラムを八百七十時間増やし二年から三年過程とし、「専門介護福祉士」にすべきとする報告書を、日本福祉教育専門学校などの研究会がまとめた。現在の介護福祉士は一定研修受講で資格移行が可能となるようにするも加えている。

 十二年に介護福祉士養成カリキュラムが見直され、時間数拡大、在宅介護実習が必修となった。しかし、養成教育二年間では、高度・複雑化するニーズ対応が困難になっているため研究に着手した。

 報告書では、授業時間を現行の千六百五十時間から二千五百二十時間へ増加が必要と指摘。具体的には介護技術・実習、レクリエーション活動援助法、医学一般などのほか、生活支援の知識・技術習得を目的に家政学実習の時間数を拡大。研究能力を高める「介護福祉研究法」を新設した。

 三年次教育は、介護現場と連携したインターンシップ的内容を提言しており、即戦力となる人材育成システム構築を目指している。

介護技術講習会定員23%増加

 本年度から介護福祉士国家試験に新たに導入された介護技術講習会の受講希望者が多く、定員が全国で当初比二三・二%増え三万五千九百十人、道内では一〇・四%増の二千六百十五人になったことが日本介護福祉士養成施設協会のまとめで分かった。

 全国七ブロックのうち、増加率が高かったのは近畿四四・四%、九州三六・五%などの順。

実習体制の検討が重要
介養協研修会で黒澤教授講演

 日本介護福祉士養成施設協会は十月二十六日〜二十八日、全国教職員研修会を札幌市内で開いた。浦和大の黒澤貞夫教授が「介護の質を高める養成教育のあり方」をテーマに基調講演。「実習は大切で、理論を越える。どのような実習にすべきかを、施設も含めて考え方や方法論を検討していくことが重要」と呼びかけた。

「高齢者や障害者の残された機能を、どのように生かしてケアできるかが介護福祉士の役割」と強調。「固有領域の専門性を探求し確立することが必要。役割・機能の制度的な明確化が求められる」とした。

 養成教育の重要課題は自己点検評価と第三者評価とし、「協会が主体的に取り組んでいかなければならない」と指摘。「介護福祉士を魅力あるものにするのは養成校の責務」と述べた。

介護新聞 2005.11.3(月)