●介護保険1年利用したら

  「要支援」の3割 要介護度が悪化

家事サービスで運動不足招く?

 介護保険サービスを03年4月から1年間利用した高齢者のうち、最も軽い要支援と認定された人の3人に1人の介護度が重くなっていることが、厚生労働省の介護給付費実態調査でわかった。

 各都道府県の国民健康保険団体連合会が審査した介護給付費明細書など集計した。
 調査結果によると、03年度にサービスを継続的に利用した人は202万人。要介護度別に1年後の変化をみたところ、要支援24万人(一部自立の新設入所者を含む)のうち、31.8%にあたる7万6千人が要介護1以上になった。要介護1(61万4千人)は18%が重度化した。要介護2は27.9%、要介護3は29.9%、要介護4は22%重度化していた。

 要支援・要介護1で在宅サービスを利用している人の2人に1人は訪問介護を利用。このうち調理や掃除、買い物などの生活援助だけを利用している人は要支援で86・7%、要介護1で68.9%を占める。

 厚生省は、加齢に加え、こうした家事代行サービスの利用で高齢省が体を動かす機会が減っていることも重度化の要因の一つと分析。05年の介護保険制度の改正では、痴呆症などを除き要支援・要介護1の人は原則として筋力トレーニングや栄養管理などの介護予防サービスを受けてもらい、生活援助もホームヘルパーが利用者と一緒に行うようにする方針だ。

朝日新聞 2004.12.20(月)