● フォーラム「応益負担導入は乱暴」
6600人が改革への不安訴え
「応益負担の導入はあまりに乱暴。財政難でも必要で十分な予算を確保してほしい」―。日本障害者協議会(JD)が十二日に都内で聞いた障害者自立支援法を考えるフォーラムに六千六百人もの障害者らが全国から駆けつけた。国会審議をにらみ開催したもので、参加団体の見解は「この内容のままで法案成立させてはダメ」で一致。与野党議員に修正を迫った。
会場の日比谷公会堂・野外音楽堂には全国から障害者や家族、支援者が集まり、参加者らは皆「いても立ってもいられなかった」と負担増や急ピッチの改革への不安を訴えた。
JDに加盟する全国団体の代表らが法案に対する見解を語るシンポジウムでは、所得保障や就労支援策が伴わない中での負担増は問題が大きい」ほか、「修正なしにこのまま法案を通過させてもらっては困る」が共通の意見。ただ、障害者別のサービスが一元化されること、個別給付の国の予算が義務的経費化されることなど法案の方向性には一定の評価があった。
しかし、予算確保と引き替えに導入される応益負担の仕組みには「大変厳しい内容だ」「容認できない」と鋭い意見が集中した。フォーラムのアピールでも「応益負担の導入はあまり乱暴。本人が負担できない場合に家族に負担が及ぶのは障害者にとって心苦しく大きな屈辱。働きに行った場で費用負担が生じるのも納得いかない」と決議された。あくまでも負担額は本人の所導に限定して見てほしいとする。
また、義務的経費とは、別の予算枠で実施される地域生活支援事業を市町村が安定して実施できるかどうかにも不安の声が多い。特に聴覚障害者のコミュニケーション支援や視覚・知的障害者の移動介護の切実なニーズを指摘する声が相次ぎ、市町村が支給決定するまでに当事者の意見が反映されるかも共通の不安事項として挙がっている。
一方、各党議員が法案に対する見解を表明するシンポジウムでは、民主・共産・社民の野党はいずれも「この内容で質成はできない」との姿勢。与党は、公明党が「良い点もある法案だ」としたが、自由民党修正すべきところがあれば修正したい」とした。
福祉新聞 2005.5.23(月)
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