●有償運送で研修・相談事業

  神奈川県 NPOに公募、委託

 神奈川県は2005年度の新規事業で、NPOなどが行う福祉運送の適正化、円滑化を図るため、運転者や運行管理責任者の研修や道運法80条許可取得手続きの相談窓口の設置をNPO等と協働で実施。協働相手として事業委託するNPO等を公募する旨、7日発表した。

 05年度当初予算で、県が抱える課題をNPO等と協働で解決を図ることを目的とした「県提案型協働事業」が新規事業化。この中で「福祉有償運送推進事業費」が盛り込まれ、委託事業経費437万8000円(上限)が計上された。

 「福祉有償運送研修相談事業委託」の名称で、事業計画を公募。第3者で構成する選考委員会で選考した後、協働相手に決まったNPO等に同事業の委託料を支払う。

 応募では、事業計画の条件として、@運転者研修の実施A運行管理責任者研修の実施B相談窓口の設置――について、事業計画提案書の提出を求める。

 提案書には、研修関係ではカリキュラムやテキスト原稿作成、実施スケジュ−ル、予算額など、相談窓口では設置場所、受付日時、相談手段などを、それぞれ盛り込むこととしている。

 応募資格は、県内に活動拠点があり、不特定多数の利益増進に寄与することを目的とした特定非営利活動法人(NPO法人)または法人格を持たない団体。

 事業説明会を14日に開き、応募期間は15日から21日まで。

 以降の予定では、今月下旬に事業計画の公開プレゼンテーション、選考委員会を行い協働相手のNPO等を決定する。来月上旬に事業実施細目の協議を経て、来月中旬には委託契約を締結、事業実施の予定。

 県は福祉有償運送で全国手でも先進的な取り組み方針打ち出し、運営協議会の市町村共同設置の誘導、全県「セダン特区」を具体化。今回は、ネットワークを持つNPOと協働し、許可誘導、人材育成などで自主性を促し、事業の円滑化、事業効果の拡大を図る。

東京交通新聞 2005.4.11(月)