●患者輸送審査、課題に

  訪問介護事業者・青ナンバー化

  九州・中国運輸局が苦慮

 来年3月までに全国で約5万事業者ともいわれる訪問・居宅介護事業者が青ナンバー化してくることが予想されるが、患者輸送許可申請の審査をどうするか九州・中国運輸局では対応に苦慮している。

 九州運輸局は、申請書の書き方に関する問い合わせなど事務負担を軽減するため、インターネットのホームページに申請書の見本を載せる。現在、実施しているヒアリングと法令試験は当面継続するが、「月に30件の申請が出るようになれば廃止の方向で検討する」としている。

 早くからホームページ上で各種申請書や届け出の書式を示し、福祉タクシーや規制緩和を解説している中国運輸局では、法令試験を中止することには難色を示している。坂田俊平自動車交通部旅客2課長は「タクシー事業の認識がない事業者が急増しては困る。道路運送法とは何か、どこに何が書いてあるかぐらいは把握してほしい。申請ラッシュが始まれば物理的に対応できなくいなるが、それまでは可能な限り法令試験を続けたい。入り口を厳しくしないと、大変なことになる」と話す。

 中国管内で道運法80条許可関連の登録ヘルパーは広島が518人、山口が119人、鳥根が31人で3県だけで600人を突破した(岡山、鳥取両県未集計)。坂田課長は「今後も増加の一途をたどる勢いだ。高齢者の移送が介護会社に奪われている」と指摘する。

 九州管内の同80条許可件数は4月12日現在で21件。関連の登録ヘルパー車両は88台。内訳は、一般タク事業者が14社54台(福岡11社51台、熊本3社3台)、患者等輸送事業者が7社34台(熊本2社2台、長崎1社13台、大分2社2台、宮崎1社11台、鹿児島1社6台)。登録ヘルパー車が少ないのは、事業へのマイカー使用にヘルパー側の抵抗があるようだ。

東京交通新聞 2005.7.25(月)