●企業秘密漏洩 退職者の刑事罰強化
経産省が法改正案 提供約束も対象
経済産業省は21日、不正競争防止法の改正案をまとめた。企業が管理している生産・販売方法や顧客情報などの「営業秘密」の漏洩について、新たに海外での漏洩も罰則対象にするほか退職者へ規制も強化する。日本企業の先端技術が海外の竸争相手に流出し、日本企業の国際竸争力が失われるのを防ぐのが狙いだ。
同省は改正案を開会中の通常国会に提出し、来年1月の施行を目指す。
現行制度では、営業秘密を従業員が国内で不正に漏らした場合か、退職者については、書類やフロッピーディスク(FD)の現物(複製も含む)を無断で持ち出した場合に限って、同法違反としている。また罰則も一律「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」となっている。
今回の改正では、不正行為の場所を海外に広げると同時に、退職者については、ライバル企業と退職前に接触して営業秘密を提供することを約束した上で退職するなど、悪質な事例については、「現物」を持ち出す行為でなくても処罰できるようにする。企業がライバル企業の従業員に漏洩をそそのかして営業秘密を入手した場合には、その企業も処罰の対象にする。
罰則も、営業秘密の漏洩に関しては「5年以下の懲役また500万円以下の罰金」に引き上げる。
朝日新聞 2004.1.22(土)
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