●道の医療助成見直し 高齢者の負担3割に
知事明言 来月実施 08年に制度廃止
道財政再建の一環として打ち出した道単独の医療助成制度を見直しについて、高橋はるみ知事は二十六日、当初計画通りの実施を明言した。これにより、道は年間「数億円規模」(保健福祉部)の歳出削減が可能になるとしているが、高齢者や重度心身障害者、母子家庭、幼児は医療費の負担増を余儀なくされる。
同制度は、障害者や高齢者の医療費を、国の医療保険制度に上乗せし、道と市町村が独自に助成する。
低所得者の医療費負担の軽減が目的で、高齢者の場合、本人負担が一割となるよう、医療保険との差額の二割を道と市町村がおおむね二分の一ずつ負担してきた。
これを今年八月からの見直しでは、一割負担の対象年齢を毎年一歳ずつ引き上げる。
八月以降はまず六十五歳の人が国の医療保険制度通りの三割負担となり、二〇〇八年三月には六十九歳の人も三割負担となって、道の助成制度は廃止される。
重度心身障害者、母子家庭、乳幼児の医療費助成は十月から見直す。現行では、初診時に一部(医科が五百八十円、歯科五百十円など)を負担すれば、その後の医療費は払わなくてよかった。
十月からは、父子家庭や未就学児の通院に医療費助成の対象を拡大する一方で、三歳未満児や低所得者を除き、医療費の一割負担を求める。道は市町村とともに、医療保険との差額の二割を負担する。
道は大幅な負担増を見直しの理由について「高齢化の進行で助成者が増加したことと、昨年四月の国の医療制度改革でサラリーマンやその家族の医療費負担が二割から三割に増えたことなどで上乗せ額が拡大し、道の負担が増えたため」(保健福祉部)と説明している。
・道医療助成制度の見直しで医療負担はこうなる
(2004年10月から実施。高齢者は同年8月から実施)
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現行 |
見直し |
高齢者(65〜69歳) |
1割負担(所得、世帯用件あり) |
3割負担(対象年齢の下限を毎年1歳ずつ引き上げ、08年3月に助成廃止) |
重度心身障害者 |
初診時の一部負担金のみ(医科580円、歯科510円など、所得制限あり) |
3歳未満児、低所得者は現行通り。それ以外は1割負担(月額上限は通院が12,000円、入院が40,200円、所得制限あり) |
母子家庭 |
母の入院と20歳未満の子どもの入退院を対象に初診時の一部負担金のみ(医科580円、歯科510円など、所得制限あり) |
対象を父子家庭まで拡大3歳未満児、低所得者は現行通り。それ以外は1割負担(月額上限は通院が12,000円、入院が40,200円、所得制限あり) |
乳幼児 |
6歳未満児の入院と3歳未満児の通院を対象に、初診時の一部負担金のみ(医科580円、歯科510円など、所得制限あり) |
通、入院とも対象を就学前まで拡大。3歳未満児、低所得者は現行通り。それ以外は1割負担(月額上限は通院が12,000円、入院が40,200円、所得制限あり) |
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北海道新聞 2004.7.27(火)
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