●専門委員 佐々木、川鍋氏ら浮上

  交政審タクビジョン小委 白石氏候補に

 来月4日に発足する国土交通省の交通政策審議会(国交相の諮問機関、会長=奥田碩日本経団連会長)陸上国通分科会「タクシーサービスの将来ビジョン委員会」の顔ぶれが先週までにほぼ固まった。座長には山内弘隆一橋大学大学院教授、委員に交政審本体のメンバーから白石真澄東洋大学助教授ら、臨時委員に新倉尚文全国乗用自動車連合会会長、原勇全国個人タクシー協会会長の法人・個人業界両トップら。タクシー経営者が参画する専門委員には、佐々木昌二仙台タクシー社長(宮城県タクシー協会会長)、川鍋一朗日本交通社長(東京)ら“守旧”“革新”両派からほぼ均等に数人が浮上している。来年6月に報告書を取りまとめる方向が出ている。

 国交省は現在、タクシー将来ビジョン小委メンバーの人選を最終調整している。来月の初会合後、1カ月半に1回のペースで開催し、3月に中間まとめ、6月に最終報告という当面のスケジュールが組まれるようで、規制緩和政策の「検証」がストレートに主テーマとなりそうだ。

 同小委の委員候補の白石氏は多くの政府系審議会委員を兼務、タクシー関係では構造改革特区評価委員会のメンバーとして「福祉有償運送セダン型車特区」の全国化を訴える急先鋒。沖縄本島タクシーの緊急調整地域指定継続を討議した運輸審議会委員や全個協のマスター(三つ星)認定委員を務める廻洋子淑徳大学客員教授も候補の一人。舩山龍二日本ツーリズム産業団体連合会会長、設楽利夫交運労協議長らの名もあがっている。

 臨時委員は法・個トップに、関淳一全国福祉輸送サービス協会会長代行(大阪タクシー協会副会長)、労働団体から待鳥康博全自交書記長、政栄p生交通労連ハイ・タク部会事務局長、今村天次自交総連書記長。ほかに、28日に先行発足する「地域住民との協働による地域交通のあり方懇談会・コミュニティバス等地域住民協働型輸送サービス小委員会」の座長に就く予定の寺田一薫東京海洋大学教授、魅力あるタクシー事業のあり方研究会の消費者メンバーらが加わる見込み。

 注目の専門委員は佐々木、川鍋両氏のほか、三浦宏喜毎日タクシー社長(全乗連規制緩和対応特別委員長、東京乗用旅客自動車協会副会長)、吉田稔大興タクシー社長(愛知県タクシー協会会長)、天野清美つばめ自動車社長(愛知)、田中良一郎第一交通産業社長、貞包健一三ヶ森タクシー社長(福岡)らの見通しだ。
 行政側のメンバーとして警察、厚生労働両省庁から参画する案も出ている。

東京交通新聞 2005.9.19(月)