●施設から送迎まで一貫 「介護予防はタクシーで」
運賃は無料 多機能ホームにも進出
熊本県の麻生タクシーグループの「ゆうしん」(本社・熊本市、麻生伸一社長)熊本県御船町に新設したデイサービス営業所(定員20人)で、タクシー車両を使ったデイサービスを5日から始める。介護輸送の制度改正でヘルパーによる自家輸送が主流となりつつある中、白ナンバー移送ではなく、隣接する系列の青ナンバー会社・麻生タクシーで送迎する。「ゆうしん」がタクシーを車両借り上げ、利用者が実際に払う運賃は無料。介護施設から移送サービスまでタクシー事業者がトータルで提供する地域サービスとしてモデル事例ともなりそうだ。
麻生タクグループは熊本県下で健軍タク、麻生タク、中央観光タク、甲佐タクの4社61台の保有。「ゆうしん」は介護保険の指定訪問介護事業所で特別養護老人ホームはじめ在宅施設の運営も展開する。今回、介護保険制度改正の柱の地域支援事業をにらみ、デイサービス施設を新設。そこの送迎を系列のタクシー会社で対応することにした。
タクシー会社の移送サービスは現在、80条許可による自家用車導入が進展しているが、麻生タクグループの場合、在宅介護から送迎までプロの専門家がトータルサービスする地域事業として、今後の方向を示している。今回のデイサービスの送迎加算を請求する。2月にはタクシー会社の貸切許可も取得している。
特養老人ホームこもれび(熊本県中央町)の理事長も務める麻生社長は「施設の定員は20人。スタッフもおり、全員が入ると窮屈。利用者の半数にタクシーで施設の外に出かけてもらいたい。それが介護予防サービスでもある。同社はもともと介護移送から出発しており、外出支援を積極的に行っていく。そのためには、2種免許を持った乗務員が運転する青ナンバーがベストだ」としている。
同グループは今秋をメドに熊本市健軍で多機能グループホームの建設に着工、来年の開業を目指すなど、介護保険制度改正を先取りしていく構え。
東京交通新聞 2005.5.2(月)
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