●福祉運営協 宮城県も全県エリアで

  セダン特区を申請へ

 宮城県は月内にも、全県エリアを対象とする福祉有償運送の運営協議会を設置する。市町村単位で設置を促進する一方、県内を8ブロックに分けた複数市町村での共同設置を推進する。申請法人の活動範囲が全県に及ぶケースなどを踏まえ、県主催の調整推進会議(運営協)を設置、福祉移送サービスの空白地域が生じないよう措置する。全域でセダン特区も申請する。同県は先月末、県内市町村に対応方針を通知した。件主導による全県エリアでの設置は、岡山、神奈川、長野(新年度)、埼玉(同)に加えて5県目となる。

 宮城県長寿社会政策課によると、県内の移動制約社は約15万7000人で昨年9月末現在の人口約235万8000人の6.7%を占める。これに対し、福祉タクシー事業者は55社102台、介護タクシー事業者は8社19台、福祉有償運送を実施しているNPO法人等は39団体と少ない。

 同県は、「移動制約者の状況、県内タクシー等の状況を調査した結果、福祉車両が非常に少ないことや、介助を必要とする移動制約者が膨大であるため、タクシー等の公共交通機関による輸送サービスが県内移動制約者のニーズに十分対応できない状況と考えられる」として、運営協設置の推進方針を固めた。

 運営協の設置主体は、国土交通省の有償運送ガイドラインを踏まえ、原則市町村単位とする一方、交通圏、経済圏、NPO等の活動状況を勘案し、複数市町村による共同設置を推進する。この場合、全県を8ブロックに分け対応する。仙台市のみ単独設置とする。

 8ブロックは@気仙沼地区(1市4町)A登米地区(9町)B栗原地区(10町)C大崎地区(1市10町)D石巻地区(1市8町)E仙台北地区(2市7町)F仙台南地区(2市2町)G仙南地区(2市7町)。

 県主催の運営協「調整推進会議」も設置。全県が活動対象など広域エリアの申請法人や、市町村合併で複数市町村の協議が整わない場合、同会議を随時開催、対応する。構成メンバーは住民代表、市町村議員、学識者、利用者、宮城県タクシー協会、宮城県個人タクシー協会、東北運輸局、宮城運輸支局など。

 セダン型車両の必要性も運営協で協議するとし、県は市町村の意向を確認の上、全域でセダン型特区を申請する方針。

 県による市町村の支援策として@「福祉有償運送運営協議会マニュアル」を作成、運営協の適切な運営を図るA各地区の運営協事務局を対象に「宮城県福祉有償運送市町村連絡会」(仮称)を随時開催、有償運送の課題、情報の共有推進、施策の連携などを図る−ことがあがっている。

東京交通新聞 2005.3.14(月)