●万一の時 知的障害の子に生活資金

  親が入る死亡保険

  大同・AIU団体向け開発

 知的障害者の親が団体で加入する死亡保険を、大同生命保険と米AIGグループのAIU保険が開発した。親が死亡したり高度障害になったりすると、知的障害者の子供に年金や一時金の形で保険金を支払う。地方自治体が運営する心身障害者向けの保険はあるが、財政難で運営は厳しく、公的制度を補う民間保険が求められていた。

 この保険に加入できるのは、知的障害者とその親らで作る「手をつなぐ育成会」の会員(約13万人)。

 団体保険なので、一般の生命保険に比べ保険料が1割以上安い。各都道府県、政令指定都市にある育成会が窓口となり、受取人の子供に確実に保険金が支払われるようにする。

 年金(最大年100万円)と、事故による死亡(最大3千万円)・入院保障がセットで、年金年額60万円、事故死の保険金2千万円の場合、50歳の母親の月額保険料は1万2395円。

 両社はすでに新潟県の育成会で販売に入っており、順次全国に広げる。

 公的制度は、掛け金が50歳で8900円と安いが、年金額は最高でも年48万円にとどまり、加入者が減っている。保険金の支給額が掛け金収入を上回る状態が続き、公費負担で収支を賄っている。制度に不安を持つ親などから新しい保険を望む声が出ていたという。

朝日新聞 2005.8.19(金)