●生活保護受給者 国保加入案が浮上厚労省、地方との協議で提示保護率 地域差分析も報告 三位一体改革で先送りされた生活保護費と児童扶養手当の見直し方策を検討する国と地方の関係者協議会の第4回会合が十五日に都内で開かれ、厚生労働省は被保険者を国民健康保険(国保)に加入させることを検討課題として提示した。 二〇〇三年度の生活保護費二兆三千八百八十一億円の内医療扶助費は約半年分の一兆二千三百六十一億円。現在、生活保護の被保険者は国保の被保険者から除外されているため、ほとんどの被保険者は医療費の全額が医療扶助(税金)で負担されている。 これらを背景に厚労省は「わが国の医療は国民皆保険制度を基本にしており、被保護者もその中で対応する考え方もあり得る」と問題提起。生活保護費の国庫負担割合(現行の四分の三)よりも低い国保(同二分の一)の切り替える意向だが、地方側の反発は必至だ。 また、この日の会合では、保護率の地域格差の分析などを行うための作業部会が中間まとめを報告した。中間まとめは地域格差について「失業率や高齢化などの社会的要因が大きい」との見方で一致したが、保護世帯の実態把握や自立支援など自治体の取り組みについては国と地方の言い分が割れた。 例えば、就労自立支援については「保護率の低下や保護費削減に一定の成果を上げている自治体がある」 「全国平均で高齢世帯や傷病・障害者世帯が八割を超えている現状では、就労自立支援による効果は限定的」と併記された。 報告後の協議では、谷本正憲・石川県知事が「実施体制とは関係ないと立証された」と発言したのに対し、厚労省側が「保護率は自治体の熱意と無縁ではない」と言い返すなど激しい応酬となった。 福祉新聞 2005.9.26(月) |