●生活保護費見直し 作業部会設置し検討

  国と地方協議会 地域格差など分析

 三位一体改革で先送りされた、生活保護費と児童扶養手当の見直し方策を検討する国と地方の関係協議会第3回会合が六日に都内で開かれた。
 会合では、保護率・保護費の上昇や地域間格差の原因、保護の適正化に向けた取り組み事例の分析などを行うための作業部会を設置することを決めるとともに、委員として京極高宣・国立社会保障・人口問題研究所長など十五人を選任した。

 また、同日は厚生労働省から出された「生活保護及び児童扶養手当に関する問題提起」をめぐり議論が行われた。
 問題提起では、生活保護制度について「国と地方の具体的な役割分担を見直すことは、憲法25条の趣旨に反するものではない」とした上で、地域別保護基準の設定など地方自治体の裁量権をさらに拡大する考えを示した。
 また、児童扶養手当についても、母子家庭の就業・自立支援を進める中で見直すべきだとし、地方への委譲が必要とする考えを示した。

 これに対し、総務省・地方からは「生活保護は地域や個人によって差があってはならないもの。国の責任は地方に比べて極めて思い」「児童扶養手当の認定基準は収入だけで何の裁量性もない」などの意見が出され、協議は前回同様、平行線のまま終わった。

福祉新聞 2005.7.18(月)