●障害者自立支援法案 

  与党政省令案の要望事項

 障害者自立支援法案の政省令案に関して与党が六日にまとめた要望事項は次の通り。

福祉サービス利用者負担

 @月額負担上限は同一生計の世帯の所得で決まるが、親、きょうだい、子どもがいても、税制上・医療保険上、障害者を扶養しない時は本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できる。

 A政府提案の「低所得1(月額負担上限が一万五千円になるケース)は、世帯に属する全員が一定所得以下であることが要件だが、住民税非課税世帯なら本人のみの収入で判断する。

 B政府提案の低所得者への配慮措置によってもなお負担の上がり幅が大きい通所サービス、児童入所施設、重度障害者のホームヘルプサービスの利用者で所得も預貯金も一定以下の者には、社会福祉法人が減免措置を行い、その費用の一定割合を公費助成する仕組みを設ける。

 C低所得者対策で預貯金等が一定額以下の者を対象とする場合、親亡き後や地域移行後の生活費などのために本人を受取人とした信託等は預貯金等に含めない

 D福祉サービスと医療サービス両方が必要な障害者の負担が過大にならないよう、医療保険の給付と介護保険の給付の自己負担の合算額が著しく高額になる場合の負担軽減を図った上で、別途幅広く必要な措置について検討する。

 E雇用型の就労継続支援事業については、一般企業と同様に雇用関係があることなどから、事業主の負担により利用者負担を減免する仕組みを導入する。

福祉サービス利用の手続き

 @市町村の審査会委員は市町村長が任命するが、障害保健福祉の有識者であっても中立・公正な立場で審査できる者なら障害者を委員に加えることが望ましいと市町村に周知徹底する。

サービス体系、基盤整備

 @中高年の障害者など、介護の必要度が低くても訓練、就労支援関連の事業になじまない者もいるので、生活介護事業の対象者について介護の必要度以外の要素(年齢)を考慮する。

 Aグループホームの対象者とケアホームの対象者について、適切なサービス提供体制の確保を前提に、同居可能な基準を設ける。

 B移動支援事業、地域活動支援センターをはじめ地域生活支援事業が地域のニーズを踏まえ、市町村が確実に実施できるよう、必要な財源の確保を図る。

 C地域で暮らす重度障害者に必要なサービスが確保されるよう、重度障害者等包括支援などにかかるサービスの内容や国庫負担基準を適切に設定する。

 D障害者が身近なところで福祉サービスを利用できるよう、提供基盤を速やかかつ計画的に整備する。

自立支援医療

 @月額負担上限は原則同一生計の世帯の所得で決まるが、加入する医療保険が異なる場合は別世帯として扱うほか、親、きょうだい、子どもがいても税制上・医療保険上、障害者を扶養しない時は本人及び配偶者の所得に基づくこともできる。

 A政府提案の「低所得1(月額負担上限が二千五百円になるケース)は、住民税非課税世帯なら本人のみの収入で判定する。

 B精神通院公費に関し、高額な医療費が継続的に発生し家計に負担がある者(「重度かつ継続」)の範囲は早急に検討を進め、その結果に基づき可能な疾病は施行までに対象範囲に含める。

 C育成医療は、障害児の健全育成の観点から、負担の上がり幅の大きい者について一層の負担軽減措置を検討する。

福祉新聞 2005.7.18(月)