●障害児の通学利用多く

  札幌市の共同配車センター旅行支援にも一役

 北海道内のタクシー事業者とNPO(民間非営利団体)による福祉・介護輸送サービスの共同配車組織「さっぽろ福祉移送配車センター」(代表・島津淳北星学園助教授)がスタートして間もなく1カ月、通学・通院での利用を中心にとい問い合わせが相次いでいる。

 共同配車は道内のタクシー事業者7社とNPO5団体で構成。具体的にはタクシー事業者は、札幌市の光星ハイヤー、函館市の函館タクシー、江別市の山崎自動車工業、旭川市の旭タクシー、帯広の大ハイヤー、富良野タクシー、浦和町の日光タクシーの7社。NPOはホップ障害者地域生活支援センター、サポート24、五合庵・社会福祉事業所、しょうがい者地域生活支援センター・キートス、DPI北海道ブッロク会議の5団体。

 NPO80条許可取得に必要な札幌市運営協議会が開催されていないため、当面はタクシー事業者先行する形で実施。配車センターは札幌市の光星ハイヤーに置かれている。

 同配車センターによると、すべり出し10日間で8件の配車を実施したとしている。実際に配車したケース以外にも問い合わせは相当数来ており「障害を持つ子供の通学に利用したいとのニーズが多い」と話す。問い合わせの中には介護保険の適用を望むケースも多いが、同センターとしては介護保険の適用を受けられないため、指定事業所を紹介することで対応している。

 共同配車センターの立ち上げに平行して、移動制約者の旅行を支援する事業が北海道運輸局で進められている。同支援事業は移動制約者に冬の北海道旅行を実際に体験してもらい、課題や改善点を把握するのが狙いで、共同配車センターを通じ道内での介護・福祉輸送を提供する。

 先月27日に札幌ハイヤー協会、北海道シルバーサービス振興会など官民合同による「移動制約者の旅行支援検討委員会」が発足。現在、実際に旅行してもらうモニターやモデルコースなどを検討しており、11月半ばに予定している次回の委員会で選定する方向。北運局では「できればモニターは道内から1組、道外からも1組選定したい」としている。

東京交通新聞 2004.10.25(月)