●障害施策への不安訴え
フォーラムに1300人
当事者ら「支援法納得できない」
障害者自立支援法案だけでなく、障害者施策全体を見据えて議論しようという東京フォーラム「いまだから語りあおう!障害者施策の明日を」が四日に都内で開かれた。
東京と身体障害者団体連合会はじめ、障害関係の全国団体の都支部が連携して開催したもので約千三百人が参加。壇上の当事者たちは「私たちはこう考えます!」と次々に考えを述べた。
東京と知的障害者育成会の本人部会ゆうあい会代表を務める山田憲二郎さんは「授産施設・作業所の工賃は一万から二万円。その中からどうやって利用料を支払い地域で生活すればいいのか。収入に応じた負担を考えてほしい」と訴えた。
山田さんは「本人の意見をどの程度聞いてからこの法案を作ったのか」「私たちに向けて行政から出された資料を見たこともなく、法の善し悪しを判断する情報がないまま法案が決まることは納得できない」とも語り、満場の共感を得た。
東京と精神障害者団体連合会の佐藤一幸副代表も「当事者からニーズを聞いてみたのか。それがないのになぜ法案ができたのかが疑問だ」と指摘。DPI東京行動委員会の今村登さんは「目先のことばかりを見て社会保障費を抑えようとしている」と不安視した。
一方、就労や地域生活を支える立場からは、横内康行・東京とセルプセンター副運営委員長が「社会的雇用制度を創設すべき。多くの障害者が低賃金でも自分にあったライフワークを自己ペースで行うことを望んでいる。実情を把握した上での施設体系にすべきだし、施設利用料や一部負担を徴収するなら所得保障が先にあるべき」と訴えた。
さらに磯部光孝・きょうされん東京支部役員が「部分的な統合ではなく、福祉法の一元化を図るべきだ」とするなど、自立を支援するには、働く場を生み出すために企業側変えることや実態にあった施設体系に見直すことなどが欠かせないとの意見が相次いだ。
会場の当事者からは「国は制度の安定ばかりを論じるが、私たちの生活の安定が論じられていない」と怒りの声も。フォーラム後には参加者一同で@所得保障制度の充実をA人の支えと、それを支える制度の充実をB安心して自分の力を発揮できる働く場の制度の充実をC私たち抜きに私たちのことを決めないで−とアピール文を発表した。
福祉新聞 2005.10.24(月)
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