●支援法案の再検証をきょうされん 国会再提出前に提言全国大会に2000人集う きょうされん(立岡晄理事長)は九月二十三日、宇都宮市で開いた全国大会で、障害者自立支援法案の国会再提出にあたっての緊急提言を発表した。問題点を整理し、「法案は感化できない問題点を含んでおり、改めて丁寧な検証を加え問題消去に努めるべきだ」とアピールしている。 問題の一点目には、「利用者負担については応益負担(定率負担)ではなく応能負担に」を挙げる。先の国会審議の中で経過措置などの緩和策が示されたものの、その本質は応益負担制度の導入に変わりないとの見解からだ。また、利用料負担の算定の際に家族収入を合算するなどの家族負担は撤廃すべきだという。 本格的な所得保障を確立することの必要性に対する認識も障害者運動により広がったが、きょうされんではその水準を「生活保護制度の生活扶助(プラス障害者加算)と同等にすべき」とする。一方、稼得能力を発揮して生活費を得る就労拡充策についてももっと探求されなければならないと提言した。 このほか障害定義を見直し、難病や発達障害、高次脳機能障害などを障害福祉関連法に含めること、法的な根拠を備えた社会資源の増量策を立法措置で図ることも提言している。 きょうされんは法人格を持たない小規模作業所を中心とした全国組織。複雑な現行の施設体系を簡素化し、新たな体系は@雇用移行支援A就労継続支援Bデイアクティビティーの三タイプを基本とすることを希望している。廃案になった法案には予算が義務的に付かない「地域活動支援センター」が示されていたが、これは必要ないとの見解だ。 また、旧厚生省と旧労働省の統合効果を発揮するには厚労省内の障害関連行政組織を改め、例えば「障害者支援局」のような局が必要ではないかとしている。 なお、全国大会には約二千人が参加し、立岡理事長は冒頭のあいさつで「選べるだけの資源、所得保障などが必要だ」と強調。会場の当事者からは「今の給料の中からお金を払って作業所に通うことになってしまたら、とても通えない」といった声が相次いだ。 福祉新聞 2005.10.3(月) |