介護保険との統合問題 

  障害者団体、「選択肢」「反対」「判断できぬ」も

  厚生労働省の社会保障審議会障害者部会が18日開かれ、障害者福祉と介護保険の統合を「有力な選択肢」とした委員のたたき台をもとに、八つの障害者団体から初めて意見を聴いた。統合を選択肢の一つとする一方、反対や緊念を示す団体もあり、意見は割れた。

 8団体のうち、「選択肢の一つとして検討」など前向きな姿勢を示したのは、知的障害者の親らでつくる全日本手をつなぐ育成会(育成会)と全国精神障害者家族会連合会、日本身体障害者団体連合会。「反対」はDPI日本会議と全国脊髄損傷者連合会。日本障害者協議会(JD)と日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟は「現状では賛否が判断できない」などとした。

 「統合は必要」とした育成会はサービスの需要は増えており、いまの障害者支援費制度の改革だけでは不十分で、安定した財源が必要、と説明。統合する場合は介護の範囲や要介護認定の基準の見直し、低所得者対策などが課題になると指摘した。DPIは「生命にかかわる障害者の介助を保障するのは国の責任。税金でやるべきだ」と主張した。

朝日新聞 2004.6.19(土)