●焦点−グランドデザイン厚生労働省障害保健福祉部 企画課課長補佐土肥 克己第13回就労支援サービス 今回は就労支援サービスについて取り上げます。障害者が自立した日常生活・社会生活を送るため、意欲と能力に応じて就労することができるよう、障害者の就労支援をさらに充実させ、障害者がもっと働ける社会を作っていくことは、今回の改革のポイントです。 現行制度における障害者の就労支援については、身体障害者福祉法等に基づく授産施設及び小規模通所授産施設における支援があります。その他に、法律上のものではありませんが、障害者に身近な地域において、働く場や創作活動を行う場となっている小規模作業所があり、障害者の生活を支える重要な拠点となっています。これらを機能に応じて見直し、障害者の就労に向けたサービスを効果的・効率的に提供できるよう再編することとしています。 新制度における就労支援の具体的な内容ですが、まず、就労を希望する障害者に対し、福祉的な就労から企業等での就労に移行することを目的として、就労するに当たって必要となる知識や能力の向上のための支援を提出する「就労移行支援」があります。この事業、養護学校卒業者や施設に通っている方のほか、体調不要などのため仕事からいったん離れた障害者も対象とし、再就労に向けたチャレンジを支援する仕組みとする方向で検討しているところです。 通常の事業所で雇用されることが困難な障害者に対しては、就労の機会を提供したり、生産活動などを通じて知識や能力の向上を図ったりする「就労継続支援」があります。 今回の改革で、日中活動の支援を行う事業にNPO法人等が参入できるよう、事業実施主体の規制緩和を行いますが、法人格を持ち、新事業の基準を満たす小規模作業所については、障害者自立支援法案に基づく事業者となることができます。 小規模作業所は現在でも、地域のニーズや特性に応じて多様な支援を行っていますが、新制度においても、「就労移行支援」や「就労継続支援」といった事業を行うほか、市町村が行う地域生活支援事業である地域活動支援センターとして活動を行うことが考えられます。 また、雇用施策と連携を強化した就労支援を実施し、障害者の意欲と能力に応じて職業生活設計・選択できるような支援体制の確立を目指します。 具体的には、養護学校卒業者や施設を退所した障害者に対して市町村やハローワーク等が連携し、進路や利用するサービス内容などについて助言や指導等の就労に向けた取り組みを行うこととしています。 福祉新聞 2005.5.2(月) |