●自立支援法案内容−自民・公明3割が否定的

  障害者団体、770候補者に質問

 第44回衆議院選挙に自民党・公明党から出馬する候補者の三割が、先の国会で廃案になった障害者自立支援法案の内容に否定的な見方をしていることが、このほど全国自立センター協議会(JIL)などのアンケート調査で分かった。

 調査は@障害者自立支援法案の再提出A支援費の国庫補助金不足への対処B障害福祉施策の予算拡大C介護保険の被保険者の範囲拡大――について意見を問うもの。七百七十人の候補者に質問用紙を送付したところ、八月二十六日までに三百二十四人が回答した(回答率42.1%)。

 それによると、厚生労働省が障害者自立支援法案を次期国会で再提出については、三百十九人中百五十二人(47.6%)が「法案は問題も多く、障害当事者との協議の場を持ち、抜本的修正をした上で再提出する」とした。

 所属政党別に見ると、先の衆院審議で法案に賛成した自民・公明の両党から出馬する候補者四十三人のうち十二人が同様の意見。

「現行の支援費制度を精神障害者、難病患者などにも拡充し、発展させていくべき」(二人)を合わせると自民・公明の三割が法案の内容に否定的な考えであることが分かる。

 一方、介護保険の被保険者範囲拡大を唱えていた民主党の候補者百二人も足並みが揃わない。「介護保険の被保険者・対象者の年齢を引き下げ、障害者施策と統合すべき」と答えたのはわずか二十二人(21.6%)で、四十八人(47.1%)が「障害者施策は社会保険になじまないので、税で賄うべき」とした。

 なお、各候補者の回答結果は、とりまとめにあたったJILのホームページ(http://www.j-il.jp/)で見ることができる。

福祉新聞 2005.9.5(月)