●対物 加入実態を調査チェック体制整備へ 国土交通省 タクシー事業者に対する事故時の対人・対物補償の保険、共済加入義務付けが10月からスタートする。これに先立ち国土交通省は、保険、共済加入の実態調査に乗り出した。現在、各地方運輸局、運輸支局を通じ進めており、月内にも取りまとめる。国交省は「調査結果を踏まえ、今後の対応策を検討したい」(自動車交通局)としている。一方、タクシー業会では「利用者保護を坦保するための業務かであり、事後チェックも含めて適正な対応を求めたい」としている。 交通事故発生時の損害賠有能力については、2002年2月の改正道路運送法施行に伴い新規許可事業者への対人8000万円以上、対物200万円以上の任意保険か共済加入を義務付けた。既存事業者についても猶予期間を設け、車両数の多い大手事業者などが導入していた「自家補償制度」を廃止し、新規許可と同様の保険、共済加入を義務付けることが決まっている。 国交省では、既存事業者に設けられた猶予期限が来月末に迫ってきたため、各事業者の保険・共済の加入状況の把握に着手。各地方運輸局に指示し実態を調査している。 調査は対人・対物の補償体制について実施。1事故当たりや被害者1人当たりの補償限定性度額、免責額設定の有無などを調べるとともに、各社の保有車両ベースでの加入状況や未加入事業者に対しては、加入予定時期などを調査項目に盛り込んでいる。 対人・対物補償の保険、共済加入の義務化をめぐっては、タク業界では「未加入事業者をどのような形で把握していくのか」といった指導が以前から出ており、チェック体制の整備が求められている。 国交省は今回の調査結果を基に、未加入事業者への加入促進の行政指導を検討していく考え。全国ハイ・タク交通共済協議会では「適正に加入している事業者と、そうでない事業者とそうでない事業との不公平が生じないよう、厳正なチェックが必要ではないか」として、行政指導に期待感を示している。 コミュバス許認可椎限など再考要請 国交省に内閣府 構造改革特区、地域再生計画、規制改革・民間開放3分野に関する自治体や企業などからの提案・要望をめぐり、内閣官房・内閣府と国土交通など関係省庁の間で折衝が続いている。各省庁による先の「1次回答」に対し内閣官房などは4日、再検討を要請。この中で内閣側はコミュニティバス許認可権限の自治体移譲(金沢市の再生計画提案について「運輸行政関係者を含めた構成になっている地域協議会なら、輸送の安全や事業内容の審査が確保できるのでは」と指摘した。 タク運賃を現行40%水準まで下げられるなど「自動認可運賃」上下枠の設定自由化(ふたばタクの特区提案)に対しては「不当競争・差別的な取り扱いにならなければ認可」との要件について具体的な基準を示してほしい」と要請。 4月からスタートしたボランティア福祉有償運送セダン特区制度をめぐっては、内閣側は 「国交省では輸送の安全などの観点から必要な検証を行っているとしているが、「具体的にどのような検証が行われ、いつごろまでに全国化が実現するのか」とした。 東京交通新聞 2004.8.9(月) |