●タクが福祉の受け皿に

  漢会長「運賃」は慎重対応

  最賃問題も研究課題

 大分県タクシー協会(漢二美会長)8日、大分市の大分トキハ会館で第3回事業者大会を開催した。漢会長はNPOなどの有償運送について警戒感を示し、「特に郡部では医療施設や自治体などから相談があれば、タクシーが福祉輸送の受け皿と成り得ることをぜひ強調してほしい。でなければ、NPOなどに参入の機会を与えてしまう」と訴えた。大会では専門委員長報告や会員に対する感謝状贈呈などがあった。

 漢会長は冒頭あいさつで、九州運輸局が公示した運賃・料金制度の弾力化に言及、「運賃は一度下げたら、元に戻せない」と述べ、慎重取り扱いを会員に求めた。

 質疑応答では、最低賃金割れに関し、出席者から「客待ちしている待機時間の解釈によって、労働時間が変わってくる。固定給をどう設定したらいいかを含め検討をお願いしたい」と要望が出た。

 これに対し、漢会長は来年1月、福岡市で九州乗用自動車協会が全国乗用自動車連合会の労務担当の中川恒彦常務理事を招き、最賃問題について話し合うことを報告した上で「(それを踏まえ)大分県なりに研究していこうと思う」と答えた。

 専門委員長報告では、運転代行業ついて「2種免がないまま営業している事業者もいる。そうした情報があれば警察に通報していただきたい」と要請した。

 来賓出席した清水照久・大分運輸支局長はあいさつでで「景気は上向きになりかけたが、ここに来て停滞感が出ている。地域、業種によっても格差がある。大分県のタクシー業会では規制緩和以降、冷静な対応で特に混乱もなく感謝している。違法な運転代行業については従前にも増して警察と連携を強め対応していきたい。今後も公共交通機関の使命である安全・安心などに万全を期していただきたい」と述べた。
 感謝状贈呈では、元城南タクシーの小野陵一社長が受賞した。

東京交通新聞 2004.12.13(月)