●タク運転者 年収300万円未満、34地域も
04年賃金構造統計 全産業格差はなお拡大
全国のタクシー運転者(男性)の2004年の推定年収が8年連続でダウンし、308万円まで低下したことが、厚生労働省の調査で明らかになった。厚生労働省の04年賃金構造統計調査によると、タクシー運転者の推定年収(昨年6月の月間給与に12カ月を乗じた額に前年の特別賞与・一時金を加えて算出)は307万9600円で前年調査から6万8600円ダウン。全産業男性労働者平均との格差は234万7400円となっている。都道府県別の調査では、タクシー運転者の年収が全産業平均の半分にも満たない地域が7県もあり、地方を中心に賃金低下はきわめて深刻な状況だ。
調査は6月の賃金・労働時間などについて実施。同調査を基にしたタクシー運転者の年収は1997年から8年続けて低下しており、この間、106万円も減少。賃金ダウンに歯止めがかからない現状では、全国平均で300万円を割り込む危険性すら出てきている。
都道府県別の調査では、地方部を中心に賃金低下が顕著だ。年収が300万円以上の地域は唯一400万円台の東京を含めて12都府県。全開の14都府県から、さらに減少している。
年収200万円台の地域は33道府県。200万円に満たない沖縄を合わせると34地域が年収300万未満の状況。96年調査では、300万未満の地域はわずか5県しかなく、賃金ダウンが続いたこの8年間で大幅に増加している。特に九州地区は福岡を除く7県は全て250万未満となっている。
全産業平均との『社会的格差』は全国平均で234万7400円と前回に比べて1万7500円拡大。地域の全産業平均の半分に満たない地域が7県もある。この中には昨年特別監視地域に指定された仙台市のある宮城県も含まれている。
東京交通新聞 2005.3.28(月)
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