●障害者通所施設 多様な運営主体受け入れ

  就労支援強化へ法改正 公明党要望に坂口大臣回答

 坂口力・厚生労働省大臣は十五日、障害者通所施設をNPO法人や医療法人でも運営できるように規制緩和する方針を明らかにした。公明党の厚生労働部会(部会長=福島豊・衆院議員)が障害者の就労支援のための法改正を求めて大臣室を訪問した席で、「今までのように社会福祉法人かそうできないかというわけ方をせず、同じように支援していく」と答えた。

作業所の法人化移行も後押し

 坂口大臣の説明によれば、厚労省は、障害者の就労支援をする法定通所施設の運営に、NPO法人などの参入を認める方針だ。現行法では社会福祉法人に運営主体が限定されているが、実際には無認可の小規模作業所が全国六千ヵ所に増えるほど、障害者の働く場は「法定外」の分野に広がっている。規制緩和することで多様な運営主体を受け入れ、「法定」の支援の場を充実させる考えだ。

 厚労省は、障害者の就労支援に関する方向性として、施設体系の整理を七月に発表したばかり。働くための訓練が必要な人がするか否かなど、施設の持つ機能によって再編する方針で、具体的には@働く場A訓練の場B日中活動の場――――の三タイプを想定している。複雑多岐にわたる体系をスリム化し、雇用政策と福祉政策を連動させることにも力を入れる。

 同部会の要望は、そうした機運の高まりのなかで出されたもので、@障害者が適性に応じて就労できるよう、実態に即して授産施設などの施設体系を見直すA小規模作業所から法定施設への移行をすすめられるよう、法人化の基準を抜本的に見直す。社会福祉法人のみが運営できる通所施設をNPOなど多様な主体が運営できるよう規制緩和するB雇用と福祉の連帯を障害者雇用と障害者福祉の法律に明記するC精神障害者に障害者雇用率を適用するD在宅就労を促進するための措置を講じる――――ことを申し入れた。

 福島議員は坂口大臣に対して、小規模作業所が増え続けていること、補助金が低い上に削減されている問題などを指導。社会福祉法人格を持つ授産施設へ移行するには法的にハードルが高いことにも触れた。

 これに対して坂口大臣は「例えば現在の授産施設は、働ける人も訓練が必要な人も、訓練を受けても厳しい人も一緒に利用しているようだ。これを整理するのが法改正の大枠」と説明。「要望のあった頂目はだいたいどれも今後取り上げるつもり。法改正するのは来年」などと語った。

福祉新聞 2004.9.27(月)