●中越交通が需要開拓策

  高齢者割引など申請

  三条地区に限定−地元他社が追随

 新潟県三条市の中越交通(中山真社長)は@満65歳以上1割引とする高齢者割引A日曜・祝日はポイントを従来の2倍にアップする料金別回数割引――を北陸信越運輸局に申請、新たな需要開拓に乗り出した。いずれも営業基盤が重なる三条・燕・加茂地区に適用を限定、長岡・見附地区は除外している。

 このうち高齢者割引については、地区最大手の申請だけに、三条タクシー、日の丸観光タクシー、エスタクシーの三条市を拠点とする3社が早速、追随申請。北陸信越運輸局は21日までに、これらの事業を公示した。

 中越交通は高齢者割引について、1年以上前から旧白根市で行っていたが、今回、適用地域を拡大。狙いは昼間に通院する高齢者の需要拡大で、介護保険見直しによる制度先行き不透明さも視野に入れたと話している。

 一方、回数割引は1500円1枚まで、以降1500円ごと1枚ずつ加算、6001円以上で最大5枚のポイントシールを発行。20枚で500円割引としていた。

 しかし、同地区の中心である新幹線燕三条駅は日曜の乗降客が極端に少なく、営収も平日の6〜7割程度に落ちる。このため利用者アンケートを行い、「金額が安くならないか」との反応が多かったため、発行枚数を2倍に引き上げた。同社では「日曜の利用促進で平日の営収に少しでも近づけたい。宣伝効果も考慮に入れた」としている。

 同社は以前、迎車料金制度を廃止した際も長岡・見附地区については対象から外している。それだけ三条・燕・加茂地区での競争にはシビアで高齢者割引の拡大とともに今後が注目される。

東京交通新聞 2005.7.25(月)