●福岡県で「運営協」活発化

  福祉有償運送 初開催は小郡市

  久留米 年度内設置目指す

 福岡県各地で福祉有償運送運営協議会設置の動きが活発化している。県内福祉系NPO団体が「市民協・福岡移動サービス部会(浜崎嘉秀部会長)」を昨年末立ち上げ、県に運営協の設置と「セダン特区」申請を要望していたが、小郡氏が1日、県内初の運営協を開催し、NPO1団体の有償運送事業を承認した。5日に周辺4町と合併した久留米市は、今年度中の運営協設置を目指し準備中だ。筑後市や遠賀郡水巻町も3月の市・町議会に提出の予算案に運営協設置の経費を計上する。福間町と津屋崎町が合併した福間市や甘木市も設置に前向きだ。柳川市は3月末の周辺2町との合併後に、運営協設置を再検討する。介護タクシーの先進地・北九州市と福岡市ではNPO団体からの設置に関する働きかけがなく出遅れている。

 福岡県は10日、同部会が昨年末に提出した要望書に回答したが、福祉有償運送の取り扱いは現場の市町村の判断に任せたい考え。

 北九州市のNPO団体は「(北九州市で)介護タクシーが充実しているというのは、タクシー事業者側の言い分に過ぎない」として、県からの回答を検討した上で、今年度中に運営協設置と「セダン特区」申請を同市に求める。福岡市は「NPOからの運営協設置の要望があれば、福祉移送の状況などを調べ、設置する必要があるかどうか判断したい」と話している。

 県内ではじめて運営協の承認を得たNPO法人「サポネットおごおり」(田中十三一代表理事)は、迎車両金160円、運行距離1キロあたり100円加算、待機料金10分200円で福祉有償運送を開始する。車両はファンカーゴ1台。

 久留米市も現在、今年度中の運営協設置を準備中で、協議会メンバーにタクシー事業者が参加する予定。今年初め、久留米市の筑後たすけあいの会(佐藤須美子代表理事)など8団体で組織する「久留米・筑後地区NPOネットワーク」が久留米市や筑後市、柳川市に対し、運営協設置と「セダン特区」申請を求めていた。

 筑後市は運営協設置に向け来年度の予算組みをしており、柳川市は3月末の周辺2町との合併後再検討する。

 久留米市の筑後たすけあいの会では、主に高齢者を対象に、買い物や墓参りなど「閉じこもり防止」と「外出支援」のため、市内一律300円、利用謝礼金600円(または利用料金800円)で有償運送したいとしている。

 同NPOには福祉車両は1台しかなく、マイカー30台で対応している状況。
「セダン特区」も申請を強く要望していくことにしている。

東京交通新聞 2005.2.14(月)