●山梨県が「セダン特区検討」

  甲府圏で福祉シンポ開く

 甲府市を中心とした2市3町の福祉有償運送への今後の取り組みについて話し合うシンポジウムが24日、甲斐市の敷島総合文化会館で開かれた。

 障害者の外出支援などの問題を地域で手がける「甲府圏域ネットワーク会議」が主催。身体や精神障害者、福祉輸送の実施団体やネットワーク会議の運営委員、県や市・町の担当者、タクシー協会などがパネリストとして出席した。

 山梨県では福祉有償運送の運営協議会について、ネットワーク会議のある「圏域」を中心に立ち上げ準備を進めているが、パネリストから県に対して全県での運営協設置やセダン特区の認定取得、運転者講習の一体的な主催などを求める意見が出た。

 セダン特区について山梨県障害者福祉課の城野仁志副主幹は「多くの市町から要望があればタクシー協会の考えや運輸支局の指導の下、申請するかどうか具体的に検討していきたい」と前向きな姿勢を示した。

 山タ協の志村宏文専務理事も「特区に反対ではなく、どういう人がセダン車両を利用するかすみ分けが重要」と業界の考え方を示した。

 運転者講習については、県の城野副主幹が「統一のガイドラインのような指針が出せると良い」と述べたが、山タ協の志村専務理事は「安全確保の面からできるだけ二種免を取得してもらいたい」と求めた。

 一般の高齢者も含めた外出支援のあり方を広く議論すべきとの意見も出た。

東京交通新聞 2005.8.29(月)