●福祉有償セダン特区全国化
評価委・国交省、合意できず
政府の構造改革特区「評価委員会」(委員長=八代尚宏・国際基督教大学客員教授)は7日、福祉有償運送セダン型車特区の全国化の是非をめぐり国土交通省をヒアリングした。評価委側が「全国展開に弊害はない」としたのに対し、同省は乗降時の事故発生と白タク営業の危険性を主張、平行線に終わった。再ヒアリングが行われる方向。国交省が強硬に反対姿勢を示したことで、同特区の来年4月の全国化は先送りとなる可能性も出てきた。
ヒアリングで国交省の田端浩自動車交通局旅客課長は「全国化を今判断するには実績が少なく、福祉車のボランティア輸送の部分も含め制度全体を整理していきたい。検証に時間をいただき、タクシーとボランティアの共存共栄を図っていきたい」と理解を求めた。
評価委メンバーからは「タクシーが対応しきれずボランティアのニーズが高い地域は多い。走りながら制度を見直していく視点はないのか」(市川眞一クレディスイスファーストボストン証券ディレクター)、「白タクの可能性を言い出すと切りがない」(樫谷隆夫地域・産業・環境部会長)、「タクシーより危険な点をきちんと証明してほしい」(八代委員長)など不満が相次いだ。
東京交通新聞 2005.7.11(月)
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